112 ページ14
．
「舌を糸で縛って先っぽに毒を少し乗せる。痺れて耐えきれなくなったらマキリで毒をこそぎ落とすんだ」
出来た毒の強さを確かめる方法を話しながらアシリパは男達を見る
だが、全員目を逸らし杉元を見た
『私がやろうか？』
「Aはダメだ」
「Aちゃんはダメだろ」
「ダメだぞ」
「ダメですよ」
「ほら杉元」
「えぇ〜やっぱり俺なのぉ」
キロランケや仲沢にすら止められAは引き下がる
杉元の舌の先を縛り一滴の毒を垂らした
「外に２頭戻って来てる」
キロランケの言葉に皆外を見た
その間に杉元の肌から汗が吹き出し、瞳孔が開く
「ほっ…ほっへ！」
「なに？」
「ほっへふへッ！」
「他にも指の股に挟んでおく方法もあるけどそっちが良かったか？」
「はやふほっへッッ！！」
『はいはい。じっとしてろよ』
杉元の顎を掴み舌先の毒をこそいだ
『ほら舌を洗って、水分取れ』
「早く取ってくれよ…」
『流石のお前も毒には勝てんか？』
「うるせぇ」
『気づかない程度で食事に盛ってやろうか？そのうち耐性つくぞ』
「辞めて！もう本当物騒なんだから！」
『ハハっ、気づかんのやけ大丈夫って』
Aは笑いながらアシリパとキロランケの元に農具を運んだ
農具の柄をマキリで削ぎ槍を作る
「A、松脂持ってないか？」
『あるけどそんなに量が無い…』
矢先に毒を固定する為に必要な量は持っていなかった
「白石の飴ちゃんを溶かして使ったらどうだ？」
「成る程！」
『流石キロランケ！』
「白石、飴ちゃん全部出せ」
『さっさと出せ渋んな』
「クーン」
そうして即席の毒矢が3本出来上がったのだった
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 151人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：げん | 作成日時：2022年11月3日 17時
