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95 インカラマッ ページ44




村には既に全員が戻ってきていた


『ん?知らん人…』


そして見知らぬアイヌの女性も一緒にいた


「A戻ったか!」


アシリパは1番に駆け寄りAの手を握る


『ただいま。…コチラの素敵な女性は?』

「コラ!すぐ口説くな!」

『口説くって……、どうしたん?アシリパさん』


いつもの調子で尋ねるとアシリパは不機嫌になり手を引っ張る


「あら、此方のニシパもとても素敵な方ですね。初めまして私はインカラマッと申します」

『私は白水Aだ。よろしく』


差し出された手を取り、握手を交わす


「コラ!Aに近づくな!」

『アシリパさん??』

「此方のお嬢さんは私の事が苦手みたいですね」


インカラマッとアシリパに挟まれ困惑するAは男達を見た

ニヤニヤとするキロランケと少し不貞腐れる杉元、頭から血を流す白石を順に見る


『…何があったん』


1番まともそうなキロランケに尋ねるとインカラマッについて説明してくれた

彼女は占いが得意と言う

アシリパ一行のこれからの旅を占った結果不吉な兆候がみられると告げられたのだ

そしてアシリパが父親を探している事まで当てたという


『ん〜、そうか。不吉か…』

「Aは信じるのかっ!?」

『いやいや、占いは信じんけど…そもそも旅行してる訳やないし、不吉なのは当たり前やろ?』

「うん、確かにそうだな。やっぱり当てずっぽうの占いだ」


アシリパはインカラマッを見返す


「…貴女も探しモノをしていますね?」

『探しモノ?』


インカラマッはAに近づき、耳元に口を寄せる


「貴方は死に場所を探して旅をしている」

『…!』


耳元でそっと囁かれた言葉に心臓が跳ねる


「近づくなぁ!」

「フフ、失礼致しました。当てずっぽうの占いなので気になさらないで下さいね」


去り行くインカラマッの背中に憤慨するアシリパを見ていると杉元が近づいてきた


「何て言われたんだ?」

『……。』

「A?」

『ん?…あぁ、何?』

「いや、何でもない」


ヘラっと笑うAに杉元は一線を引かれた気がしてそれ以上聞くことが出来なかった


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げん(プロフ) - おパブロで。さん» ウホッ!嬉しすぎます!ありがとうございます!お陰で妄想が捗りますッ更新頑張ります! (2022年10月24日 0時) (レス) id: 07dac0a979 (このIDを非表示/違反報告)
おパブロで。 - ウホ?ウホホッ?(発作)これまた良小説が…、設定から何から大好きすぎるのだよ…更新楽しみ過ぎて吐きそう…ッ (2022年10月13日 20時) (レス) @page9 id: e2ea27c298 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:げん | 作成日時:2022年10月8日 0時

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