76 ページ25
.
焚き火で2人の衣服を乾かしている間に杉元とアシリパは巨大なイトウを捌き始めた
「大きな皮がとれるぞ。これ1匹で服が1着作れる」
「え?魚の皮で服を作るの?」
魚の皮で作った服は雨風も通さない為、小刀の鞘や靴にも使われる
他にも松脂の代わりに皮を煮込んで作ったニカワで矢尻に毒を固定すると毒が傷周りに集まりやすくなる為、弓矢にも使われる
「いろんな利用法があるんだねぇイトウの皮は」
「でもな杉元。実はイトウは皮が美味いんだ。皮を残して色んなものに利用するかそれとも食べちゃうか…うーん、本当に悩む所だなぁ」
「食べちゃえば〜〜〜」
聞こえて来た2人の会話にクスクス笑っていると目の前に煙草が差し出された
少し驚きながら見上げるとキロランケが和かに笑っていた
「ゴホ、ゴホッ」
隣を見ると先に吸ったのか白石は盛大にむせていた
Aは大人な笑顔に押され、タバコを受け取る
キセルの吸口を軽く咥え、深呼吸をする様に吸えば煙が肺に入る
「Aちゃんむせないの?」
口からゆっくりと煙を出し、白石の顔に吹きかける
「!?」
顔を真っ赤にした白石を横目にキセルをキロランケに礼を言って返す
『意味が分かるってこたぁよく遊んでるな白石。まぁ勘違いするな。何の意味もない煙だ』
「わ、わ、分かってるよ!」
「ん?今のには何か意味があるのか?」
尋ねてくるキロランケにAは苦笑いをする
『遊女が良くやるんですよ。夜の誘いの合図としてね』
「ほほう。それで顔を赤くしたのか」
「見ないで!恥ずかしい!」
顔を隠す白石を笑っているとイトウを捌いた2人も近寄って来た
「何だA。煙草吸えないんじゃなかったか?」
『吸えないじゃなくて、吸わないと言ったんだ。お姉様方に味を教えられてね』
「お前も結構遊んでるのな…」
『杉元よりモテるのは本当だな』
少しニヤけるAを杉元は否定出来ず悔しがった
.
162人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
げん(プロフ) - おパブロで。さん» ウホッ!嬉しすぎます!ありがとうございます!お陰で妄想が捗りますッ更新頑張ります! (2022年10月24日 0時) (レス) id: 07dac0a979 (このIDを非表示/違反報告)
おパブロで。 - ウホ?ウホホッ?(発作)これまた良小説が…、設定から何から大好きすぎるのだよ…更新楽しみ過ぎて吐きそう…ッ (2022年10月13日 20時) (レス) @page9 id: e2ea27c298 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:げん | 作成日時:2022年10月8日 0時