【名探偵コナン】バカですよ？ (ページ12)

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『聞いてる？』
「あ、ごめんなさい、ぼっーとしてて…」
いきなり顔を覗かれ、慌てて笑って誤魔化す。俺を不思議そうに見ている彼女こそ、俺の悩みのたねなんだが。

彼女が組織のものかもしれない。
そう安室さんから聞いたとき、少なからず俺はショックを受けた。俺は知らず知らずに信用していたのだ、彼女を。

『コナン君～！？さっきから、私しか話してなくて色んな人に変な目で見られてるんだけどぉ！？』
「あーごめんなさ～い」
だってこれだぞ？これが演技なのか？

『コナン君、何思い悩んでるの？』
「え、」
『ずっとそんな顔してる』
お前だよ、お前のことだ。とは言えず、苦笑いで誤魔化す。

「あはは、ぼーとしてただけだよ」
『ふ～ん』

『コナン君ってさ、案外隠すの下手だよね。分かりやすいよー？そこはお母さんに似てないよね～。何かを隠してるの丸わかりだよ！
ほらほらお姉さんに相談なさいな！』
「な、何にも隠してなんかないよ！」

『なーんだ、適当に言ったんだけどやっぱハズレてたか…』
やっぱり俺には黒には見えない。そもそも灰原は怯えてなかったし、やはり白なんじゃないか…？それに…

…いや、待てよ…今……。あまりにもさらっと言われ、聞き流したがさっき確かにこう言った。

お母さんには似てない…？俺の、江戸川コナンの親の話はしたことないはずだし、ましてや親がポーカーフェイスが出来るなんていつ思ったんだ…？

考えられる可能性は、俺の…正体を知っていて、俺の親にある女優を思い浮かべたことだけ。

Aの顔を見るが、自分の発言の間違いなど気が付いてないように見える。いや、そう演技しているだけかもだが…。

前言撤回だ、彼女は予想以上に怪しい。どこで、知られたんだ…。

俺への態度は変わったことなどなかった。ということはかなり演技が上手いか、初めから知ってて関わってきたかの二択だが…。

違う、そんなことより何故俺の正体がバレたんだ？普通の人間はいくら賢い小学生がいても、所詮は小学生としか認識しない。そりゃそうだ、高校生が小学生になるなど考えられないからだ。

そう普通なら気付かれない、普通の人間なら…。もしかして本当に……？

だが、何か引っ掛かる。それについては、もっと探らないと分からないな。俺はAをあんまりにも知らないから。

誕生日、住所、連絡先、彼女の親、交遊関係、趣味嗜好、何故学校を休むのか。

バイトのことは勿論、過去のことも…。