EP55 ページ10
「ただいまー…」
誰もいない家。
今日は母さんも飲み会だって言ってたっけ。
俺は疲れた体をベッドに沈ませ、深いため息を吐いた。
あれからもう数週間。
国木田とは一切の連絡も取れていない。
「何やってんだ、俺…」
子どものように泣くあいつを放って置けなくて、サボったことのない部活を初めてサボった。
それで終わらせればよかったんだ。
嫌な思いさせたかな。当然だよな…
あいつは氷浦が好きなんだ。
失恋して心傷している奴にキスするなんて、最低にもほどがある。
「……」
初めてのデートの時に撮った彼女の写真。
またあの笑顔を見たい。
あの時みたいに、お互い何も飾らずに話したい。
溜まりに溜まった鬱憤が爆発しそうになり、電話帳から国木田の電話番号を押そうとした。
「わっ！」
俺が押すよりも先に着信が来る。
鬼道からの電話だ。
「鬼道か。珍しいこともあるもんだな」
『あぁ…少し気になることがあってな』
その声はなにかを考え込んでいるかのように低い。
円堂や豪炎寺ではなく、なぜ俺にかけてきたんだろう。
「どうした？」
『今から写真を送る。お前に心当たりがあるのではないかと思ってな』
鬼道にわからなくて、俺にわかることが何かあるだろうか。
何か嫌な予感がして、手に汗握りながら送られてきた写真を開く。
そこには、仲睦まじく腕を組み歩く50代前後の男と若い女の姿があった。
「これは…？」
『この女の方、お前は知っているんじゃないか？』
少し遠くから撮られた写真は、パッと見た感じではよくわからない。
俺は女の顔を中心に拡大してみた。
「え……東雲…？」
『やはり知っていたか…』
服装はいつもと違えど、国木田によく似た面影。
化粧で作られた顔。
でもその笑顔は、いつも彼女が国木田に向ける笑顔そのものだった。
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さきこ(プロフ) - カミカさん» ありがとうございます！がんばります〜(*´-`) (2018年11月25日 19時) (
レス) id: b0083ad673 (このIDを非表示/違反報告)
カミカ - これからも続けれるように頑張ってください！楽しみにしてます！ (2018年11月25日 16時) (レス) id: b42da9a3fb (このIDを非表示/違反報告)
さきこ(プロフ) - 星水さん» わあああありがとうございます！！すごく励みになります…(*´-`)がんばります！！ (2018年11月6日 23時) (レス) id: b0083ad673 (このIDを非表示/違反報告)
星水 - 続編おめでとうございます！前作からずっと影ながら応援してました、、！ とても面白いです！国木田ちゃんと氷浦くんが仲直りできますように、、！更新頑張ってください！ (2018年11月6日 20時) (レス) id: 3c634cce7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきこ | 作成日時：2018年11月1日 20時
