無きにしも非ず -JN-【BTS】

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ギンギンに冴えた目は何となく見える天井を一点に見つめ


隣のベッドにソクジン先輩が寝てるってだけでドキドキして寝れない


本当、何でこんな状況に陥ってるんだろう…


今までこんなハイスペックな男性と関わった事ないだけに


私のキャパは既にオーバーしている


『Aちゃんもう寝た？』


「あ、起きてます…何か寝れなくて」


『うん、俺も何か寝れない』


真っ暗な部屋の中でお互いの声だけが響いて


よりドキドキするのは気のせいだろうか？


『これなら誤った一夜は十分あり得るね』


「はい？」


『ドラマの展開？理解出来る気がする…ま、Aちゃんに嫌われたくないから我慢するけど』


「私が先輩を嫌いになる訳ないじゃないですか」


そんな罰当たりな事したら、会社中の女子に抹殺されてしまう


『嫌いにならないの？』


「なりませんよ」


『じゃあ…キスしてもいい？』


あり得ない！先輩からの言葉に咄嗟に出た心の声は


確実に聞こえてしまっていて


「いや、その、付き合ってもない人とキスするのはどうかと思います」


フォローにもならないフォローを入れてしまう


『そっか…』


そんな言葉が聞こえた途端、動く気配を感じれば


薄暗い中に先輩の顔が見えた


「先輩？何を…」


少し冷たい先輩の手が私の顔に触れて


自分が完全に身動き出来ない状況だと確信していると


『じゃあ、付き合お？』


「へ？…ん…」


何故、私は今先輩にキスされているのか…


何故、私は告白じみた事をされたのか…


何故…こんな事になっているのか…


私は今…夢でも見てるんじゃないのか…


『俺をAちゃんの彼氏にしてよ』


「いや、もう…本当あり得ないです」


『なんで？』


「先輩、ビール飲みすぎたんですね！大丈夫です、私起きたら忘れるタイプですから」


これこそその場の勢いってやつだ


同じ部屋に男女がいれば、そりゃキスの一つや二つあり得る事だし


先輩はキスする理由が欲しかっただけに違いない


『Aちゃん彼氏いるの？』


「いません…」


『俺の事嫌い？興味ない？』


「そんな事…ありません」


『じゃあ俺、Aちゃんの彼氏になるね！』


「はい？」


事の流れに頭が全然追いつかないでいると


再び重なった唇は…驚くほど心地よくて…でも心臓爆発しそうで


何も考えられないくらいだった







私はまた、ドラマみたいな経験を重ねてしまった




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