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今日は久しぶりの優斗くんとのデート。
ずっと会いたいと言っていたのがようやく叶った。
あれからよく考えてみて、きちんと優斗くんに今思ってることを言わないといけないなって思った。
だから今日はちゃんと自分の口で自分の意志を伝えるんだ。
「優斗くんの家思ってたよりも綺麗!」
優斗「思ってたよりもってどんなの想像してたんだよ笑」
家は散らかっているのかと思っていたから、意外と綺麗で驚いた。
そして「テキトーに座って」と言われて優斗くんの隣にくっついて座ると、優しく微笑みながら手を握ってくれた。
でも、こうやってできるのもたぶん今日が最後。
優斗「Aちゃん」
「ん?」
のんびりくつろいでいると突然名前を呼ばれて優斗くんの方を振り向くと、少しずつ綺麗な顔が近づいてくるから思わず避けてしまった。
「優斗く……」
優斗「やっぱり忘れられない…?」
「え……?」
優斗「龍斗くんのこと、忘れられないんだよね……」
なんて少し震える声で言われたらどうやって返したらいいかわからないよ……
「っ、ごめんね、」
優斗「謝るのは俺の方だよ……Aちゃんを楽にしてあげられなかったんだから、」
違うよ
優斗くんは1ミリも悪くないよ……
せっかく優斗くんはわたしのことを大切にしようとしてくれていたのに、わたしは裏切ったんだ。
わたしの方が悪いのに、
優斗「好きだから、Aちゃんには幸せになってほしい」
「うん、っ、」
優斗「龍斗くんにいっぱい幸せにしてもらいな?」
「うん、ありがとう、」
そう言って優しく頭を撫でてくれるから余計に胸が苦しくなる。
わたしは優斗くんに対してひどいことをしてるんだってわかってるし、泣きたいのは優斗くんの方なのかもしれない。
だけど優斗くんは決してわたしのことを悪く言わないんだ。
そんな優しさに少しドキッとしたけど、わたしは叶うはずのない恋を選んだのだから、揺らぐことなく真っ直ぐ生きなきゃ。
だからお願い、もう一度だけでも龍斗くんに会わせて下さい……
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作者名:サリー。 | 作成日時:2019年12月24日 13時