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一緒にしてピリつく空気。
いやいや、そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ笑
そうして私は手に持った短刀を持ち上げて…
________ジョキ…
ふうぅーーー、いやぁ頭軽いな。
「お前…何してんだ…!?」
土方さんは目を真ん丸にしてこちらを見ていた。
彼だけではない、他の幹部2人、入隊希望者、まあつまりその場にいた全員。
『何って、髪の毛を切りました。』
「いや、だからなんでそんないきなり…」
『えぇ…だって皆さん明らかに女とわかった瞬間から拒絶したじゃないですか。
そしたら女に見えなくすればいいかなって。
あ、口調もあれなら男っぽくできますよ。』
「うう、どうしたものか…」
「近藤さん…」
完全に困惑したままの彼ら。
あぁ、まだまだこの雰囲気は変わらないのかな。悲しいや。
『…真選組の皆さんは何のために剣を握っていますか?色々な理由があるかと思いますが、自分の守りたいものを絶対に守るんだっていう強い意志で刀を握ってる方が多いんじゃないでしょうか。』
そうだ、じゃなきゃいつ死ぬかもわからない真選組になんていないだろう。
『私はそういう気持ちをもつ人こそ 侍 だと思っています。
ただ、それは男にも女にも当てはまるんじゃないでしょうか。
女にも意志はあります…!!
女にも貫き通したい信念があります…!!!』
この十年強くなるために死にものぐるいで努力してきた。
簡単に否定されてたまるかってんだ。
『生半可な気持ちで剣を握ってる訳じゃない。
そこをどうかわかってほしいです。』
誰も喋らない静かな道場に私の少し切らした息だけが響く。
『長々とお話してしまいすみません。お騒がせしました、失礼します。』
そういってその場から一ノ瀬が立ち去りしばらくの沈黙が続いた後、
「彼女の言う通りだ。俺たちはいつの間にか男だから女だからと決めつけすぎていたのかもな…」
近藤さんがそんな言葉をもらした。
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作者名:時咲 | 作成日時:2021年4月24日 17時