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銀さんside






くそ!あいつ何やってんだ!!無事だといいが…


そんなことを考えながら血の匂いが強く残ってる方へと足を進めていく坂田。
程なくして現場だと思われる路地にたどり着いた。



「うわ、すっげえ血の量だなぁこりゃ。」



辺りには攘夷浪士がごろごろと転がっていた。
人数を数えるために近ずくと驚くべきことに気づく。




「攘夷浪士が1、2、3…って、は?!
血が流れてない?どういうことだ。まさか全てあいつが…あいつはどこだ?!」




言い終わらないうちから急いで周りを見渡して目的の人物を探す。
すると、壁にもたれながら座り込んでいる一ノ瀬を発見し急いで駆け寄る。




「いたっ!!やべぇな血流しすぎだ、まずいぞ… おい、一ノ瀬!大丈夫か!」




声をかけてもぴくりとも動かないことに不安を覚えた坂田はしゃがみこみ一ノ瀬の頬をぺちぺちと軽く何回かはたいてみる。
それでも動かない彼女を見て坂田の目にも焦りが見え始め少し揺すったりもしてみた。そのとき、



『んん…さ、たさん…どう、してここに…?』



一ノ瀬の意識が浮上する。



こいつ、俺の名前を…



『ここ、にいるの、は私だけです、っ…はやく他の、かたのと、ころ、へ…』



今の状況と全く違うことを話しはじめた。
目の焦点はあっておらず、言葉も途切れである。
意識が朦朧としているせいか似たような体験をした時と記憶がごちゃ混ぜになっているのだろうか。


俺の名前を知っていて、他の奴の所へ、ねぇ…
やはりこいつ、あの時の戦争にいたのか。
試験の時の剣術といい俺は一度こいつを見たことがある。
あの時は素顔を見れなかったが
もしかしたらこいつは___________

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作者名:時咲 | 作成日時:2021年4月24日 17時

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