逆ハーなんて望んでない。

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翌日。
ピコンという通知音で目が覚めた
そこには《 絵心 甚八 》の文字。
兄からのメールが来ていた



最悪の目覚めだ…
そんな風に思いながらメールをタップすると
URLのみだけが記載されていた。


どうやら地図のようで何故か、何故か山の中を指している赤の目印にハテナマークが浮かび上がる。



『いや、どーやって行くんだよ。』



徒歩では到底向かえないそこにまた昨日からのイライラが募る



【交通費を出せクソ兄貴。】



そうメッセージを打ったが既読スルーされた。
本格的に絞めてやる。



いつも通り学校に行って帰って来たら部屋の荷物がめちゃくちゃ減っていた。
辛うじて家具は残っていたが衣服系はほぼ無くなっていた



頼みの綱の両親にも


「兄妹水入らず楽しんでね」


と何故かすごくいい笑顔で背中を押された。
お前ら2人きりになりたいだけだろ。万年新婚夫婦が。


どれだけ悪態を付いても現状は変わらない訳で
気付けばもう当日になっていた＿＿







＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿

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放課後。
重い足を目的地へ運ぶ。
いや、歩いて行ける距離じゃねぇ。


はぁ…と深い溜息を付いて
タクシーがいるであろう大通りを目指す


コツコツ貯めていたバイト代を
こんな意味不明な事に使わされることになるとは…




気付けば1時間程タクシーに揺られ
目的地であるだろう青い建物が見えてきた



『無駄にデカイな…』



建物の前に下ろしてもらい見上げる。
ここまでのタクシー代。絶対払わせる。
あと、急な呼び出しも腹立つから殴る。
1発…いや、5発はやらせてもらうぞ。



そんな想いを胸に無駄にデカい建物の中に足を踏み込んだ

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