RED6 ページ7
そこにあったのは赤い薔薇だった。
いや、赤い薔薇なのかは分からない。だって初めて見たんだもの。でも、きっとそうだ。透明な花瓶に入ってるその花は、間違いなく真っ赤な薔薇。私の目に、本物の赤色が映っている。
｢すご、い……｣
目に触れた。確かに目はここにある。なら私が見ているこれは、実際に私の目で見ている色ってこと。あまりのことに言葉が出なかった。赤という色はこんなに明るく、華やかな色だったんだと思い知る。目に焼き付くような刺激的な色は、とても鮮やかで美しい。
｢クロロ、これ……｣
｢魔法、と言ってもお前は信じないだろう。なら、そんなことを聞いたところで、お前が納得する答えは得られない。当分な｣
｢そう……、そう、だよね｣
クロロに質問したのは私なのに、目の前のことに夢中で適当な返事になってしまった。一歩ずつ、着実に薔薇に近づき手を伸ばす。赤色。ある人は情熱と言い、またある人は生きている証だと言う色。私の体の中にも、この色が流れているはずだ。
薔薇を手に取って、ふと血管を見つめる。長年使ったせいで鋭くなったペインティングナイフ。切れ味は、まぁそこそこだろう。薔薇は左手に持ったまま右手にナイフをとった。流石に手首の上からやる勇気はない。ナイフはそっと、手の甲に添える。
あとは思いっきり、引くだけだ。
｢っ！？
ちょっとクロロ、なんで止めるの！！｣
｢好奇心で手に傷をつけるな。万が一、絵が描けなくなってもいいなら止めないが？｣
｢で、でも、気になるじゃん。私の血がどんな色なのか｣
一口に赤と言ってもそれぞれ名前は違う。私の血は一体何色だろう。クロロの言う"魔法"がいつまで効果を発揮してくれるのか分からないし、気になることは今のうちに解消したかった。
というのに、クロロはナイフを取りあげて遊びだすんだから。無駄に回すのが上手いのがまたムカつく。通常のナイフとは違うのに、すごく器用なんだと思っておこう。……余計な闇は知らぬが仏だ。
｢血もこれと同じ色なんて、不思議｣
｢血液は薔薇より少し暗い色だぞ｣
｢なんで知ってるのかは聞かないでおくよ｣
目をそらして掘り下げませんと訴える。視線の先にちょうど私が描いた絵があった。黄色っぽい薔薇の描かれたその絵は、私が手にしてる赤薔薇とは似ても似つかない。
これを個性といえば聞こえはいい。でも、要するに私は欠陥品だったということだ。賞賛されたところで、それは嫌味にしか聞こえない。
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まどろみ(プロフ) - あかあお、、みどり？？さん» 確かに！色じゃなくて光の三原色でした<(_ _)>わざわざありがとうございます！直します！ (2019年4月2日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
あかあお、、みどり？？ - 色の三原色って赤、青、黄じゃなかったですか？ (2019年3月31日 19時) (レス) id: 8b40cac6e3 (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - mikki-さん» あー！ありがとうございますっ！もっと上手に書けるよう今後も精進します(><) (2019年3月29日 21時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
mikki-(プロフ) - このどこか飄々として読めない夢主が好きです！幻影旅団も好きです！！その他にも文の書き方とか全てが好きです！頑張ってくださいね！ (2019年3月29日 19時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月26日 23時
