RED4 ページ5
｢おおっ！正解！よく気付いたねぇ｣
寝っ転がった状態で拍手してあげると、クロロが露骨に顔を歪めた。｢馬鹿にしてるのか？｣そう言われても、別にそんなつもりない。否定しても
｢私ってこだわりが強い方だからさ、もちろんサインも工夫してる。サインを描く位置は必ず｣
｢その絵の最も目立つ部分。だが、その程度のことお前の絵をみていればわかる｣
その程度、とは失礼な。サインは私の中で何よりも重要なんだ。あの薔薇の絵であれば、薔薇の花弁という目立つ場所に描くことで、私の絵だということを主張している。
例え誰の手に渡ろうとも、私の絵は、私だけの物だ。
｢もう一つの特徴は見えない色で描くこと。赤の上から緑色のサインを描いたりね｣
｢俺達には奇抜な組み合わせに見えるが、色覚異常だと同色に見えるんだろう。そして、最近の絵はそれが欠けていた｣
｢そう。気付いてる人もいるだろうけど、それでもみんな私の絵を高額で買っていく。馬鹿らしいったらないよ。私の名前、そのブランドにしか興味が無い｣
私が描いた絵だからみんな買う。それがどんな意味を持つとか、その絵から感じられるものとかこれっぽっちも考えずに。そういう低俗な金持ちばかりに絵を売りつけるあの男は、私の絵によってもたらされる利益にしか興味が無い最悪のスポンサー。
｢私がこの作品に興味が無い理由とか、連れ去って欲しい理由はそんなとこ。他にも理由はあるけど……｣
｢けど、なんだ｣
｢言いたくない｣
クロロは言えとは言わなかった。それが優しさなのか、はたまた興味が無いだけなのかは分からない。けれど、その見透かすような目が嫌になって私から目をそらした。
絵を手に取り立ち上がる。どうやらやっと誘拐する気になったらしい。手を伸ばし"起こしてポーズ"をするも無視。何のつもりか部屋を物色し始めた。いよいよ泥棒じゃん。
｢話は戻っちゃうんだけどさー、薔薇の話｣
｢もうそれに興味はな｣｢あのねー｣｢無視か……｣
さっき無視した仕返しだ。
｢さっきのクロロの考え方好きだけど、私とクロロじゃ決定的に違う部分があるでしょ｣
そうだな、と相槌をしてくれたクロロに嬉しくなって笑みが零れる。なんだ、興味無いとか言っていたくせに。暗くて何処にいるのか分からないけれど、声は左奥から聞こえた。
見えない相手にぽつぽつ話すのって、存外悪くないな。
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まどろみ(プロフ) - あかあお、、みどり？？さん» 確かに！色じゃなくて光の三原色でした<(_ _)>わざわざありがとうございます！直します！ (2019年4月2日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
あかあお、、みどり？？ - 色の三原色って赤、青、黄じゃなかったですか？ (2019年3月31日 19時) (レス) id: 8b40cac6e3 (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - mikki-さん» あー！ありがとうございますっ！もっと上手に書けるよう今後も精進します(><) (2019年3月29日 21時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
mikki-(プロフ) - このどこか飄々として読めない夢主が好きです！幻影旅団も好きです！！その他にも文の書き方とか全てが好きです！頑張ってくださいね！ (2019年3月29日 19時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月26日 23時
