BROWN1 ページ22
飛行船が到着したのはなにもない草原だった。地平線に見える夕日は、三分の一ほど隠れている。ここからまさか走って移動するわけもないだろう。パクさんにどうするのか聞こうとしたとき、遠くの方からエンジン音が聞こえてきた。こちらへ向かってくる、黒い……
｢うっわ、ベンツじゃん。まさかまた｣
盗んだのか、なんて愚問か。
ベンツは真っ直ぐこちらに向かってきて、私たちの目の前で止まった。中にいる人と目が合う。目つきが悪くて、今までみた蜘蛛のメンバーの中で断トツ悪人顔。その人は車の窓を開けると、｢さっさと乗れ｣とぶっきらぼうに声を掛けてきた。
｢おお！眉毛がない｣
｢あ"ぁっ！？！？｣
｢あっ｣
しまった、と思って口を押さえてももう遅い。不良みたいなナリの人は、鋭い目付きを存分に使って睨んできた。クロロが助手席に座りながら、｢お前らも早くしろ｣と急かしてくる。
乗る前に1度謝ろうと、そう思ったのに
｢この能天気そうな馬鹿女が例の画家なのかよ？｣
私だって人間だ。怒る時は怒る。そう、例えば今回のように、露骨に馬鹿にされれば誰だって。パクさんに手を引かれて後部座席に座らされた。｢ったく、ちょっと絵が上手いくらいで何で……｣未だブツブツ文句を言っている運転手の男に、いよいよ我慢が効かなくなる。
｢運転手がこんな単細胞そうな人で大丈夫なの？事故とか起こさないでよね、死にたくないから｣
｢あ？｣
｢絵の価値も分からないような人に馬鹿呼ばわりされたなんて、一生の恥じゃーん｣
｢こんの、クソ女っ！！｣
｢おい、フィンクス。前を見ろ｣
振り返って私に一発食らわそうとした不良は、クロロにそう言われ渋々手を引いた。ざまぁみなさい、と心の中で勝利のゴングが鳴り響く。隣に座るパクさんとシャルは笑みを浮かべ、ノブナガはシャルを挟んで笑いを堪えている。
何がそんなに面白かったのか、私にはちょっとよく分からない。とりあえず、勝った。それだけだ。
＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
＿＿
車で走ること十五分。後部座席は本来三人乗りなので、四人だとちょっとキツい。座ってるだけなのに疲れてきた。シャルとノブナガは楽しそうにお喋りしてるし、クロロはパクとなんかよく分からない話をしている。
｢仕方ないからお喋りしてあげる、えっとー、フィンクス？｣
｢ふざけんな！誰がテメェみてぇなガキ｣
｢私は24歳だからガキじゃないんだけど｣
｢精神年齢はガキだろ！｣
｢精神年齢も大人だし！｣
続く (更新停止中)
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まどろみ(プロフ) - あかあお、、みどり？？さん» 確かに！色じゃなくて光の三原色でした<(_ _)>わざわざありがとうございます！直します！ (2019年4月2日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
あかあお、、みどり？？ - 色の三原色って赤、青、黄じゃなかったですか？ (2019年3月31日 19時) (レス) id: 8b40cac6e3 (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - mikki-さん» あー！ありがとうございますっ！もっと上手に書けるよう今後も精進します(><) (2019年3月29日 21時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
mikki-(プロフ) - このどこか飄々として読めない夢主が好きです！幻影旅団も好きです！！その他にも文の書き方とか全てが好きです！頑張ってくださいね！ (2019年3月29日 19時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月26日 23時
