キイロとクロ7 (ページ21)

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「うげっ雨降ってる…」

学校を出ようとすると、急に降ってきた雨
ダッシュするしかないかなあ、止むかなあ、なんて考えていると

『A、入りな』

後ろから傘を差し出した海人

「雨降るの知ってたの？」

『うん、ピピピってきたの朝』

「本当かよ笑」

『本当だよ笑』

「ふうん、じゃあお邪魔しまあす…！」

『はあい、廉は？』

「中学の友達に会うらしくて先に帰ったよ」

『ふうん』

そんなことを言いながら土砂降りの中二人で帰る私たち
海人はいつもより口数が少なくて、１つの傘を差しているせいか距離も近くてなんだか緊張する

『あのさ』

「うん？」

『例の女の子、頑張ってみようと思うんだよね』

「あっそうなの？いいじゃん！」

私がそう言うと、真っ直ぐに前を見つめて微笑み海人

信号が青になったと同時に横断歩道を渡ろうとすると、傘からはみ出した私

「海人？青だよ」

『…』

そのまま海人は私の腕を引っ張って立ち止まる海人の傘の下へと入れた

「ちょ、どうしたの」

俯いて何も言わない海人に違和感や不安を感じて顔を覗き込むと、彼はゆっくりと私の方に手を伸ばして頬を撫でた

『A、可愛くなったよね』

海人は口を緩ませて私に言った