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二人がその場所から離れて行っても
私は体が動かなくて
ただがむしゃらに階段に座って泣いていた
「っ……」
そこに
本城
って、頭の上で私の名前を呼ぶ優しい声がした
「廉くん…」
廉くんは少し息が切れた様子で
心配そうな顔で私を見つめてた
【探したで…】
「ごめっ、なさい…」
廉くんはしゃがみこんで
【泣くな】
少し掠れた声でそう言って
私の頬に流れる涙を拭った
「…」
それでも泣き止まない私に
【…好きなんじゃん、海人のこと】
「…」
彼には全部見抜かれる
【頼むから、もうそんな顔せんで…】
「…」
何も言わない私の頭をずっと撫でる彼
すると彼は何も言わずに私の隣に座った
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作者名：しろくま | 作成日時：2020年4月10日 10時
