5番ブースの恋 【Ryuto S】

Story 9 ページ9

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「フォ、ビ……？」


『forbidden ね、forbid の過去分詞で、意味は禁じる、とか。それか、形容詞で、禁じられた、とか、禁断の、とか』


「forbidden love で禁断の恋？ですか？」


『うん、そうだね。例えば、兄妹とか？先生と生徒とか？』




自分で言ってちょっと恥ずかしくなる。


禁断の恋、瑞稀との恋とかある訳ないから関係ないんだけどね！




「じゃあ、塾の先生と生徒は？」


『…塾かぁ、』




うーん、多分速攻でクビです、forbidden love です！




「大学生と高校生だから、forbidden love では無いですかね？」


『ダメじゃない？だって先生って呼ぶでしょ？』




ふーん、と腑に落ちない様子の作間くん。




「Aさん、」


『へ！？』


「先生って呼ばなければいいんですか？」




なんだ、この質問。


まるで、……いや、ないない。


もしかして作間くんも凉くん系？実はチャラい？




『…はい、大人をからかわないの』


「…別に、からかってません」




平静を装っているけれど、内心バクバク。


ほかの人に聞かれたら、とか。


真面目な顔で言うもんだから、本気にちゃいそう、とか。


とにかく！作間くん、この話はやめましょう！




『じゃ、次の文行くよ』


「……」


『この文和訳できる？』


「えっと、これは……」




基本的に、作間くんは授業の内容を理解しているようで、時々爆弾を落とす、以外には問題はない。


…その爆弾が結構痛いんだけどね？




『うん、本文は大丈夫そうだから次文法で、』


「はい、」




適当に作った例文を書いて、ここはこうで、こうだから、と説明をしていく。


……ねえ、作間くん、視線は私じゃなくてホワイトボードに移してくれないかな？




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