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車を停めて待っていたら小走りで近づいてくるその姿が見えて、助手席に手を伸ばしてドアを開けた。
雅「お疲れ様。」
祐「ありがと。Aどう？」
雅「かなり調子よさそうだよ」
祐「そう？よかったぁ〜」
雅「翔ちゃんにも会えたしね」
祐「そっかぁ…A嬉しかっただろうね」
雅「そうだね。…っていうか、翔ちゃんもだいぶホッとしてた」
祐「…あぁ〜」
雅「なぁに(笑)」
祐「私泣いちゃいそう…」
雅「…泣いちゃうの？」
祐「だって…」
…って言って、もう泣きそうじゃん。
そうだよね。
祐奈だって…たくさんたくさん心配して、辛い想いして…
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雅「…祐奈？」
祐「ん？」
雅「ありがとね」
祐「…なぁに、急に(笑)」
雅「…いろいろ。ありがと」
僕の言葉に俯きながら優しく笑ったと思ったら、ちょっとだけその瞳が曇って…
祐「、私は…」
雅「ん？」
祐「…Aと同じくらい、雅紀が心配だったよ…？」
寂しそうなその声に、胸が苦しくなる。
祐「体壊しちゃいそうだったし…私、何したらいいかわかんなくて…。ごめんね」
雅「なんで謝るの…？」
祐「…だって…」
眉毛下げて、唇噛んで…
そんなん見たらさ…我慢、できなくて。
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その頭を、左手で肩にグッと引き寄せたら。
ちょっとだけ聞こえた、鼻をすする音。
雅「毎日祐奈の顔見るだけでホッとしたよ」
祐「…ッ」
雅「ありがと」
翔ちゃんじゃないんだから、普段はこんなことできないけど。
どうしてもどうしてもそう、したくて。
抱えた頭のてっぺんに、ありがとうってありったけの気持ちを込めて、チュッてキスを落とした。
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…顔を上げた祐奈が、恥ずかしそうに笑うのが可愛くて
もう一回、唇に同じようなキスを落としたのは、見て見ぬふりってことで…。
・・・・・
雅「ただいま〜」
祐「…A〜…？」
僕の後に続いて、ちょっと緊張しながら部屋に入った祐奈は結局…
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「祐ちゃん？」
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Aの声が聞こえて、その顔を見た途端、涙が止まらなくて。
祐「A〜ッ」
「ゆうちゃーんッ…」
二人してグズグズ泣きながらちょっとだけ笑ってる、そんな姿に。
僕ももらい泣きしちゃって…
…お前が泣くなよってバカにする翔ちゃんの目だって、ウルウルだったんだけどね。
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作者名：ぽろ
| 作成日時：2016年9月28日 3時
