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フラワーシャワーでみんなに見送られて、そのまま控室に戻ってきた。
次の準備をするのに時間がかかるみたい。
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祐「…緊張したね」
繋いだままだった手をキュッと握って、ポツリと言う。
その横顔はホッとしたような、柔らかな表情。
ヴェールにひとひらだけ残ったピンク色の花びらにそっと触れたら、ん？って僕の方を見上げる。
雅「…緊張したね…」
祐「ね…でも…」
雅「ん？」
祐「楽しかった」
安堵なのか嬉しさなのか。
気持ちがこみ上げてきて抑えきれない、みたいな感じで嬉しそうに唇をキュッと結んで笑うその目も…
祐「というか、幸せだね…？」
今にも泣きそうな、涙を溜めながら僕を見上げるその目も…
雅「…祐奈？」
祐「ん？」
僕の涙の原因にしかならない。
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雅「…綺麗だよ。世界でいちばん。誰よりも。」
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その瞳の涙の粒がポロンと頬に落ちた。
同時に自分の頬が濡れるのもわかった。
雅「…幸せにする。絶対。」
祐「…うん…ッ」
雅「ありがとう、僕を選んでくれて」
祐「…ッ」
雅「ずっと…一緒にいよう？」
俯いて、ポロポロ涙を落としながらウンウンって何度も頷いて。
一歩僕に近づいて、キュッと僕のタキシードの裾を握って。
コツン、って。
ドクドクとうるさい僕の胸に、おでこを預けてくる。
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祐「雅紀…？」
その背中をふんわり抱き締めたら、聞こえた声。
祐「ありがとう」
雅「…ん？」
祐「…私の夢、叶えてくれて。」
雅「夢？」
祐「…素敵な人と、巡り合って…その人の、お嫁さんになるって」
雅「…」
祐「誰よりも幸せなお嫁さんになって、ウエディングドレス着るって、夢…」
雅紀のおかげで叶ったよ、って言う声はあまりにも震えていて、僕の涙の量までをも増やす。
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雅「…ほら、」
祐「…ッ」
雅「そんなに泣いたら、お色直し、大変でしょ…ッ…？」
祐「フフッ…」
雅「でも…本当に幸せな時って、涙…止まんないんだね」
祐「…う、ん」
顔を見合わせてフフッて笑ったらもう、いつもの僕らで。
祐「披露宴は、ずっと笑ってようね」
雅「きっと楽しいよ」
祐「そうだね」
嬉しそうに笑う祐奈の、まぁるくて可愛いおでこにそっとキスをしたら
クフフって照れくさそうに笑うのもまた、
幸せすぎて蕩けそうな瞬間だった。
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作者名：ぽろ
| 作成日時：2016年9月28日 3時
