136...Side Sho ページ2
Side Sho
何があってもそばに居なきゃって。居たいって。
誰よりもそばにいて、大好きだよ、愛してるよ、俺はどこにもいかないよって…言い続けたいって。
翔「…一人になんかしない。」
「…ヒッ…ク…」
翔「そばにいるよ。俺がいる。絶対Aから離れない。約束する。絶対。」
「…ッしょう、ちゃ……ッ」
翔「…怖い想いさせて…ごめんね」
.
俺の胸におでこを当てて苦しそうに泣くA。
さっきみたいに腕を回して抱き寄せたら、子供みたいにワンワン声を上げて泣いた。
その耳元で、何度も何度も名前を呼んで、「大丈夫だよ」「俺はここにいるよ」って言い続けて…
やっと落ち着いた頃には、ずいぶん時間が経っていた。
・・・・・
ずっと泣き続けて、苦しくなっちゃったみたいだ。
軽くだけど、ヒーヒー言って肩で息をしている。
背中をトントンしながらその顔を覗き込むと、眉毛を下げて涙目で口を尖がらせてまた泣きそうな顔するから…
翔「もう泣かないの…(笑)」
「…だ、ッ、って…」
翔「大丈夫？先生呼ぶ？」
フルフルと首を横に振る。
鼻の…なんつったかな、あぁ、鼻カニューレ。
そこから一生懸命息を吸って。
翔「ほんとに？」
「う、ん」
翔「ほら、ゆっくりゆっくり…」
背中を擦りながら深呼吸を促したら、段々と落ち着いてきた。
よかったよかった。
.
ん、今度は…
翔「…眠い？」
「つか、れた…」
翔「たくさん泣いたからね…。ちょっと寝たら？」
「んー」
曇る表情。
…大丈夫だよ、
.
翔「俺ここにいるから。」
.
もうほぼ閉じかけてる瞼をゆっくり瞬かせて俺を真っすぐ見る。
その瞳だけで、「そばにいて」って言ってるって感じちゃうのは…
好都合すぎるかな。
.
俺の手をギュッと握ったと思ったら、ストンと夢の中に堕ちていったA。
空いた手で布団を掛け直して、そのまま頬にまた触れてみる。
…ただただ、ホッとする。
目の前にAがいることに。
またAに触れられていることに。
.
翔「…おやすみ、A」
.
おやすみって言ったら、おはようも。
いってらっしゃいって言ったら、おかえりも。
これからたくさん言い合えるんだ。
そう思ったら、もう出きったと思っていた涙が一粒流れてきて頬を冷たくした。
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作者名：ぽろ
| 作成日時：2016年9月28日 3時
