あお。 ページ12
・
side 渡辺
多分、俺とAはなんだかんだ相性がいい。
昔から何かとペアを組まされることも多かった。
歌とかダンスとか、雑誌の撮影とか。
アイドルをしてる時、隣にAがいるとなぜかものすごく心強かった。
渡辺「女だからって甘えんな。全部1人でできるくらいになれよ」
『…うるさ。元から頼りにしてないけど』
渡辺「はぁ？可愛くねぇなお前」
だけどAが馬鹿にされるのが許せなくて、極力女の子扱いしないように接してきた。
わざと突き放して、｢女だと思ったことない｣とか言って。
ちょっと雑なくらいの態度で突き放してみたり。
そのくせ、SixTONESの前でたまに見せる無邪気な笑顔に胸をしめつけられて、俺ってマジで馬鹿だな？って何度も思った。
『翔太くん、あのさ』
でも、何回俺が冷たい態度を取ってもこいつは離れていかなかった。
何年経ってもいまだに｢翔太くん｣と。
昔、｢先輩なんだから翔太くんって呼べよ｣って俺が言ったこと健気に守っちゃってさ。
渡辺「お前さぁ、もっと４人と話せよ」
『んー、寝たい』
渡辺「ふざけんな。家で寝ろ」
『楽屋で寝るのがいいんじゃん』
相変わらず楽屋で睡眠を取ろうとするAをソファの端に押して俺も隣に座った。
狭いだの邪魔だの聞こえる文句は全部無視して。
『そういえばさ、この曲どう？』
渡辺「どれ？」
これこれ、なんて言ってスマホとイヤホンを差し出してくる。
『翔太くんが歌ったら最高』
渡辺「…次のライブで一緒に歌うか？」
『お、仕方ないから歌ってあげるよ』
流れてくる曲のチョイスがよくて、結局いつもライブで採用しちゃうんだよね。
実は、Aとお互いの顔を見ながら歌ってる時間が割と好きだったりもして。
『翔太くんさ、急にアレンジ入れるのやめてくれない？』
渡辺「でもハモれてたじゃん」
『私のスペックの高さを褒めて欲しいね』
渡辺「うわーうざー」
年下で後輩のくせに、
昔から俺のことめちゃくちゃ舐めてて、
いつもお互いに突っかかってばかりだけど。
歌も性格も、なんだかんだ相性がいいんだと思う。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3308人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りーむ(プロフ) - ねぎとろさん» はじめまして。ありがとうございます！少し時間に余裕が出来たので更新頻度上げられたらなんて思ってますので今後の展開も楽しんで頂けると嬉しいです(^^) (2月25日 12時) (
レス) id: 489a31cabe (このIDを非表示/違反報告)
りーむ(プロフ) - 目黒みなみさん» うわぁ泣かないで…。それだけ感情移入してくださっているなんて嬉しいです(T T) (2月25日 12時) (レス) id: 489a31cabe (このIDを非表示/違反報告)
りーむ(プロフ) - みぃ〜さん» はじめまして！作者も書きながら感情移入しすぎて胸が締め付けられております…(笑)ありがとうございます！励みになります(^^) (2月25日 12時) (レス) id: 489a31cabe (このIDを非表示/違反報告)
りーむ(プロフ) - mskmnm626さん» はじめまして！楽しんでいただけていて嬉しいです！ありがとうございます(^^) (2月25日 12時) (レス) id: 489a31cabe (このIDを非表示/違反報告)
ねぎとろ - 初めまして、お話を読んでいてハラハラドキドキが止まらず…あっという間に読み終わってました…忙しいかと思いますが応援しています！！頑張ってください！！ (2月24日 3時) (レス) @page48 id: c72133fc5b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りーむ | 作成日時：2023年11月8日 20時
