物理講義室の恋 ( yb×in )

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「お前は？なんか待ってんの」

「おれも、サッカー部の子、‥大ちゃん。ありおかだいき」

「おー、大ちゃんか！仲良いの？」

「うん。同じクラスで、幼馴染」





俺の言葉に少し目を見開いて、大ちゃんと幼馴染とか、苦労すんだろ！って言って頭をくしゃくしゃと撫でられた。




そこまで苦労してないけど。

でも撫でられたのがなんだか嬉しくて、何も言わないでおいた。








それから先生は、大ちゃんが最近部活中に思いっきりこけた話や、クロの話とか、いろんな話をしてくれた。




クロは、先週くらいにさっき俺がいた場所で見つけたらしい。


最初は全然懐かなかったけど、猫缶やミルクをあげたら自分から物理講義室に来るようになったらしい。




先生が猫缶やミルクを買ってる姿を想像して笑ったら、何笑ってんだ、と頭をはたかれた。







「誰かがクロを構っているのを見るのは初めて。だからまだ俺と伊野尾しかクロのことは知らないと思うよ」



この彼の言葉に、何故かとても安心して。
まだクロのことは誰にも言わないでおこうと思った。






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彼との時間が楽しくて話し込んでしまって、大ちゃんから今どこ！？と連絡が来るまで俺は物理講義室で先生と過ごしていた。




「....大ちゃん終わったみたい。そろそろ、帰ります」

「ん、気をつけて帰れよ」





帰る前に半分以上残してしまったブラックコーヒーを無理やり飲もうとすると、いいから、と止められてしまった。



せっかく淹れてもらったのに申し訳ないし失礼かな、と思ったけど、ふにゃりと笑う彼に丸められてしまった。








「じゃあ、さよなら、」



クロにもバイバイをして、挨拶をして扉を閉めるときに聞こえてきた、またなー、という言葉がなんだかすごく嬉しくて、扉にもたれかかって緩んだ頰を撫でた。





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