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どこに行くあてもなく走っていた。
あんなに動かなかった足は、思ったより動いた。
苦しい。
乱れる呼吸も、心臓も、小さな恋心も。
一番聞きたくなかった言葉を、聞いてしまった。
それも、彼自身の口から。
頭の中ではわかっているのに、滲む視界を止めることが出来なかった。
いろいろ考えていたのと、スピードを出しすぎて足が縺れる。
やばい、転ける.....!
覚悟して目を瞑ったのに一向に訪れない痛みと、ふわりと香るミントの匂い。
「あぶな、‥‥なにしてんですか、こんなとこで」
「‥‥ゆーと」
爽やかに俺を抱きとめた後輩は、俺の顔を覗き込む。
「なんで泣いてんの」
「泣いて、ない......」
「嘘つき」
そう言うと抱き締められて、裕翔の腕にすっぽりと収まった。
彼のシャツが、俺の涙のせいで湿っていく。
「授業中なのに、なんでいるの......」
「伊野尾先輩こそ」
それに、俺の質問に答えてよって
困ったように笑う俺より背の高い後輩。
薮に抱き締められたら、こんな感じなのかな。
こんなときでも考えるのはそんなことばかりで、嫌になる。
裕翔の腕の力が強くなって、
ここが廊下だということを思い出して、慌てて肩を押す。
「ゆうと、離して」
「やだ」
「お前好きな人いるんだろ。その子に見られたら、」
「......先輩って、ほんとに鈍感」
え、と言葉の意味を理解する前に後頭部を掴まれて、彼の胸に押し付けられる。
「伊野尾先輩が泣いてるのをほっとけるわけないでしょ」
優しく頭を撫でられると、止まっていたはずの涙はまた溢れて。
年下の胸の中ということも忘れて泣いてしまった。
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りこ(プロフ) - 裕伊さん» 裕伊さん、お返事遅くなってごめんなさい〜!本当に嬉しいお言葉ありがとうございます(T_T)裕伊さんのコメント本当に嬉しくて天に昇れそうです...。初夜も書くかどうかすごく迷ったのでそう言って頂けると嬉しい限りです(T_T)本当にありがとうございました!! (2017年9月16日 21時) (レス) id: 17e05a7ed7 (このIDを非表示/違反報告)
裕伊(プロフ) - りこさん〜〜!(;;)このふたりが好きすぎて、また読めて幸せですありがとうございます…!!相変わらずぴゅあな伊野尾くんがかわいくてかわいくて悶えました…あとはやぶ先生の理性によくがんばった!って褒めてあげたいです…(誰)幸せ初夜までごちそうさまでした!笑 (2017年8月18日 5時) (レス) id: 9c3cb87535 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - 侑葉さん» 侑葉さん、ありがとうございます!ひたすらピュア恋愛をイメージして書いたのでそう言っていただけて嬉しいです(^^)胸きゅんもして頂いて嬉しいです〜!また番外編もよろしくお願いします! (2017年7月3日 20時) (レス) id: 17e05a7ed7 (このIDを非表示/違反報告)
侑葉(プロフ) - 今日見つけて一気に読んじゃいました 笑笑 薮ちゃんの大人な雰囲気と伊野尾ちゃんのピュアさがマッチしてとても面白かったです!伊野尾ちゃんと一緒に胸きゅんしちゃいました (2017年7月2日 12時) (レス) id: e04bce508f (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - あささん» あささん、ありがとうございます〜!そう言っていただけて本当に嬉しいです...!!ピュアなやぶいの自分で書いても可愛いな〜と思ってしまいました(笑)またアップすると思うのでよろしくお願いします〜! (2017年6月26日 20時) (レス) id: 17e05a7ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りこ | 作成日時:2016年5月25日 16時