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「Aが倒れた時、前もそうだけど、今回も。君が二度と目を覚まさなかったら、どうしようって…」
「………」
「だから、ちゃんと伝えなきゃって思ったんだ、自分の気持ちを。…どうやら僕はあんまりそういうのを口にしないタイプだって言われたからさ」
苦笑するジュンくん。
誰に言われたのそんなこと。
おかげで破壊力満点ですよ。
「はぁ、言えてすっきりした」
「…そうですか」
どこか晴れ晴れとした様子のジュンくんに困ったように眉を下げた。
「返事は今すぐじゃなくてもいい。時間は一杯あるから」
あ、でもね。とジュンくんは何かを付け足す。
「Aが他の男と話してたら、僕嫉妬しちゃうからなぁ。あんまり話さないでくれると有難いかも?特にウォヌとか」
「…なんでウォヌくんだけ名指し?」
「ウォヌはムカつくから」
理由になっていない気がするのは気のせいかな?
う〜ん、と首を傾げていると、扉越しにスンチョルさんが誰かと言い合ってるような、そんな声が聞こえた。
「ヒョン…どうしたんだろう?」
ジュンくんが不思議そうに扉を開けようとすると、先に扉が開き、ジュンくんと私は目を見開いた。
「貴方がA?」
「え、あ、はい」
部屋に入ってきた人物は初対面の人で、私の存在を確認してはコツコツと近付いてくる。
大きな瞳と可愛い顔の、まだ若いように思えるその子は私に手を差し伸ばしてきた。
「来て。貴方に、合わせたい人がいる」
「えっと…合わせたい人、ですか?」
見たことないけど、組織の人…だよね?
状況が読めずきょとんとしていると、ジョングク!という怒気の籠ったスンチョルさんの声が。
「彼女をどうするつもり」
「会って、話しをするだけ。これは"あの方"の意向。貴方が気にする必要はないよ、スンチョルさん」
ジョングクと呼ばれたその子は首を傾げて、行こう?と促してくる。
戸惑っていると、ジュンくんがその腕を掴んでいた。
「…Aは起きたばかりで安静にしてなきゃいけない。部外者の君が口を出さないで」
「ジュニ…やめるんだ」
「ヒョン…?」
何故止められたのかわからないジュンくんと、目を伏せているスンチョルさん。どことなく険悪な雰囲気の中ジョングクが口を開いた。
「部外者じゃないよ。スンチョルさんが率いる君達の部隊に今日から"俺達"が一時的に加入することに決まったから」
よろしく。と淡々と言われた事実に、私達は開いた口が塞がらなかった。
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yui(プロフ) - ルカさん» ありがとうございます!それは誰が為に 5公開しました。 (2020年5月22日 3時) (レス) id: b7a9992a65 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 伊狐さん» ありがとうございます!それは誰が為に 5公開しました。 (2020年5月22日 3時) (レス) id: b7a9992a65 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ - いつも読ませていただいてます。とっても面白いです。パスワードを教えていただきたいです。今後も楽しみみしてます! (2020年5月22日 2時) (レス) id: 7b2d92024a (このIDを非表示/違反報告)
伊狐(プロフ) - この作品が大好きでお気に入りです!パスワード教えてください!これからも応援しています! (2020年5月22日 2時) (レス) id: c76b536d3e (このIDを非表示/違反報告)
レオナ(プロフ) - ジュンピ落ちがいいです!これからも頑張ってください! (2020年5月11日 23時) (レス) id: 4de243fabb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yui | 作成日時:2020年3月30日 22時