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作戦当日。
「…夫婦役ってなんか新鮮だね、ウォヌくん」
「確かに。恋人役ならまだしも」
と、呑気にそんなことを話し合いながらも私達は草陰に隠れていた。
狙うは実業家夫婦の車。
人通りのないこの場所で襲撃を行う予定だ。
少しのミスも許されないのに、不安な気持ちにならないのはウォヌくんが隣にいるからかもしれない。
「なに?」
「えっ、いや、なんでも?」
ウォヌくんの横顔を眺めていると、くいっと突然こちらに顔が向く。
切れ長の瞳に思わず声が裏返りそうになった。
『A、目標が来たよ』
ジスさんから貰った通信機からシュランさんの声が聞こえ、ウォヌくんに合図を送る。
すると、車のライトらしきものが徐々に近付いてくるのがわかり、私達は草陰から飛び出す。
キキィー!と音と共に、車に勢いよくブレーキが掛かった。
「なにしてる!危ないだろ!!」
運転席にいた男がドアを開け怒鳴り散らしてくる。
実業家夫婦は後部座席に乗っているのが確認出来た。
「悪いけど、静かにして欲しい」
「なんだお前っ!?」
男がウォヌくんに殴り掛かろうとした時、草陰から金色の物体が飛び出し、男に襲い掛かった。
「うああああ!!」
虎の姿をしたスニョンくんに襲われ、まるで断末魔のような叫びをあげる男に内心、お気の毒に。と思ってしまった。
怪我はさせない程度に加減はしてるのだろうけど、いや、虎に襲われるって…普通に気絶ものだよね。
「車から降りて下さい」
「な、なんなんだお前らは」
後部座席のドアを開け、私は彼らに言い放つ。
女性を庇うようにして男性が最初に車から降りた。
「妻には手を出さないでくれ」
震える女性を背後に隠し、男性は私とウォヌくんを見つめてきた。
「別に貴方達に危害を加えるつもりはありません。ただ私達が欲しいのは、今日行われる闇オークションへの招待状です」
「…こんなもので良ければくれてやる!!」
そう言って胸ポケットから招待状を出すと思いきや、男性は潜ませていた拳銃を取り出し、私目掛けて発砲してきた。
辺りには銃声音が響き、そしてやがて静まり返る。
「あぶなっ…」
パキリッと私と男の間には氷の壁が出来上がっており、銃弾はそれにめり込んでいた。
ウォヌくんの判断力に私は胸を撫で下ろす。
「の、能力者だと!!」
男性は瞬時に顔を青くした。
ガンッと車の方から音が聞こえた。
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レン(プロフ) - 今日からうちの子は改名してホシくんです!笑笑メスですけど笑笑 (2020年3月16日 17時) (レス) id: 7ddd2a9a14 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - レンさん» ポメラニアン飼ってるんですね!羨ましいです〜!もうそれはポメホシくんなので盛大に可愛がってあげましょう!^ - ^ (2020年3月14日 19時) (レス) id: b3fbbcd754 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - めちゃくちゃ似合います!ふわふわしてチョコチョコしてる感じが!!← うちでもポメラニアン飼ってるので今日からホシくんだと思うことにします!笑笑 (2020年3月13日 14時) (レス) id: 7ddd2a9a14 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - レンさん» コメントありがとうございます!勝手ながらホシくんは絶対にポメラニアンが似合うなと、オタク心が疼いてしまいました。これからもポメホシくんをどうぞよろしくお願いします!! (2020年3月10日 21時) (レス) id: b3fbbcd754 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - ぽ、ポメラニアンになるホシくん…無理可愛すぎる… (2020年3月9日 20時) (レス) id: 7ddd2a9a14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yu-i | 作成日時:2019年12月8日 20時