ベイビーピンク ページ40
○JISUNG
Aヌナ！？と、ロンジュニヒョンの大きな声が、ベッドにいる僕の耳まで届いた。バタバタと玄関に行く足音を追いかけたら、ヌナがもうヒョンたちに捕まっている。チソンイこんにちはというヌナに返事をして、ヌナに頭を撫でてもらってから、自分がパジャマのままだったことに気付く。急いで部屋に戻ってリビングまで行けば、着替えたことに気付いたジェミニヒョンに笑われたけど。
「Aヌナ、すごく会いたかった」
「わたしもロンジュナに会いたかったよ」
「どれくらい？」
「ロンジュナがたくさん手を広げても持ちきれないくらい？」
「僕もそれくらい！」
ロンジュニヒョンがヌナと話す時の顔は、ヘチャニヒョンがヌナにくっついている時の顔と良い勝負だと思う。最近はそこにジェノヒョンまで参戦して、ヌナの隣に行くことは、ソファーでお気に入りの位置を確保することより遥かに難しいと、僕は、ヌナから貰ったお菓子を食べながら、大変だなあと眺めている。
「チソンアは行かなくて良いの？」
『あそこには入って行けないですよ』
「まあ確かに、火花散ってるからね」
『ジェミニヒョンは？行かないの？』
「僕は誰もいない時に独り占めするんだよ」
ふうん、ヒョンたちの間にも色々あるんだなあ。僕も本当はヌナのそばに行きたいけれど、今日はヒョンたちに譲ってあげよう。このお菓子美味しいし、僕はさっき撫でてもらったし。
「ヌナ、今日はいつまでいてくれるの？」
「会社行く時に一緒に行くから、まだいるよ」
「ヌナの隣座っていい？」
「おいジェノ抜け駆けするな！」
「よし、じゃんけんしよう」
立ち上がったロンジュニヒョンとジェノヒョンの間で、何故かジェミニヒョンがにっこりと笑っていた。ヌナがチソンイはやらないの？と聞くけど、果たして僕が入って良いやつなんだろうか。おいでとヌナに手招きされて近くまで来たけれど、ヌナには、目の前で行われている戦いが見えていないんだろうか。
「チソンア、わかるよな？」
『ええ、』
「ロンジュナ変なこと言わないで」
『えっと、チョンロが来るまで待つっていうのは…』
「ここまで準備してるのに今やらなくてどうするの」
ヌナはテンヒョンに連れて行かれてしまって、誰のためにこれをやっているかわからなくなってくる。ロンジュニヒョンがいきなり叫んで始まったじゃんけんは3回続いて、僕はもう、その時の記憶はあんまりない。
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yom(プロフ) - 花藤さん» とても綺麗な言葉で表現していただきありがとうございます…！頑張ります！ (2021年8月15日 11時) (
レス) id: 0ce65e6476 (このIDを非表示/違反報告)
花藤(プロフ) - 淡々とした描写の中にきらりと光るそれぞれの感情と、おだやかな余韻がとっても素敵だと思います。一気に拝見しました。更新とっても大変かと思いますが、応援しています。 (2021年8月15日 2時) (レス) id: d70a6e9ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yom | 作成日時：2021年8月10日 18時
