�� ページ19
○
『…デジャブ？』
「何？」
『あ、いや…』
「俺たち結構仲良くなったと思ってたんだけど」
『テンオッパに何か言われましたか？』
「えっ………どうして？」
『実は心が読めるんです』
「A、俺は何考えてると思う？」
『オッパは今、お腹空いてますね』
「おお、当たった」
「…いや、そうじゃなくて！」
俺真剣なんだけどと言う顔は、今言ったら怒られるから言わないけれど可愛いなと思う。ぎゅっと距離が詰められて、わたしは壁に顔が付いてしまいそうなくらいに体が移動する。
ジェヒョンオッパに言われた時は、テンオッパの手の中で上手に転がされていたけれど、わたしだってあの頃よりは成長…したと思うし、理由だってちゃんとある。ボールペンを置いて無理やり隣と向き合って、ポケットにあったクッキーを手のひらに乗せた。
「なにこれ」
『お詫びです』
「お詫び？」
『言われるまで何もしなかったわたしも悪いので』
「よくわからないんだけど…」
『ウィンウィニオッパ、ごめんね』
ぱちっと音がなりそうな瞬きを1回して、わあ、と言ったまま動かないオッパを、少しずつ反対側に押していく。2人が無理に座った跡がついていた。
「またテンに遊ばれてたの？」
『わたしもう子供じゃないんだけど…？』
「俺から見たら2人ともまだ可愛いよ」
「…あ、練習はじまる」
急いで立ち上がったオッパを見送って、落書きを再開しようと思ったのに、ジャニオッパがわたしの名前を呼ぶ。顔を上げたら、なんだかいつもより優しい顔でこっちを見ていた。
「誰かに何か言われた？」
『…ううん』
「言ってなかったんだけど、実は俺も心が読めちゃうんだよね」
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yom(プロフ) - 花藤さん» とても綺麗な言葉で表現していただきありがとうございます…！頑張ります！ (2021年8月15日 11時) (
レス) id: 0ce65e6476 (このIDを非表示/違反報告)
花藤(プロフ) - 淡々とした描写の中にきらりと光るそれぞれの感情と、おだやかな余韻がとっても素敵だと思います。一気に拝見しました。更新とっても大変かと思いますが、応援しています。 (2021年8月15日 2時) (レス) id: d70a6e9ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yom | 作成日時：2021年8月10日 18時
