ポジティブ女子が双黒に誘拐されました

罠 ページ14

勇輝のことは怖いけど、だからといって学校を休むわけにはいかない


それに私のことを心配してくれている雪穂が

出来る限り一緒にいてくれているから


勇輝と別れてから何事も無く数日が過ぎた


完全に安心したわけではないけれど

別れた直後よりは気が抜けていた


だからかもしれない



あの時、勇輝の罠に嵌められていると気付かなかったのは。


部活の練習着を教室に忘れるという

まるで初心者のような事をしてしまって

教室に取りに行った時だった


私しか居ない教室に扉を開ける音が響いた

…勇輝だった

勇輝は窓際のロッカーの中に入っている

40冊くらいある本を指差しながら私に話しかけた


「沙紀、この本を資料室まで持って行かないといけないんだけど、この量は流石に俺でも辛い…
運ぶの手伝ってくれないかな？」


この2人っきりの状態も相当怖かったが

断っても怖い、それに別れてから数日経ったし

勇輝も普通に振る舞うようにしてくれているのかな

そう思ってしまった私は戸惑いつつOKをだした

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