7.どうしてやったの? ページ8
雅貴「女の子殴ったって、何?」
広斗「……知らねーよ」
学校に電話で呼び出されて急いで駆けつけてみれば、学校の教師達に取り囲まれた広斗と泣いている女の子達。事情を話されて、しばらく学校に来させるなとキツく注意されるのを、ただすみません、と聞いているしかなかった。
「これだから親のいない生徒は。保護者も保護者だ、そんな格好して、恥ずかしくないのか」
帰り際、ボソリと呟かれた言葉。雅貴が気付くのよりも早く、バッと振り返った広斗はそのままーーーー
A「雨宮広斗!!」
ぴたり、と時間が止まる。
その間に、広斗の拳を眼前にした教師はそそくさと立ち去った。
A「…私のせいで、悪かった」広斗「…は?何がお前のせいなの?今回やったの俺だし、それに悪いのって、あいつらじゃん」
ふらり、と宙を彷徨ったままの右腕は、ごつんとAの額に当たる。
A「いっ……はぁ!?」広斗「じゃな」
さっさと歩いて昇降口へ向かう弟を見ながら、雅貴は口をあんぐりと開けるしかなかった。
雅貴「…あのさぁ、君。君、広斗となんかあった?」A「…はぁ、いろいろありましたよ……でも今回は迷惑かけたの私だ」
俄然興味が湧いた。いろいろって、何?
雅貴「詳しく教えてよ」
にっ、と笑ってみせれば、女の子は死ぬほど嫌そうな顔をした後、吹き出す。
A「似てない兄弟だなぁ、兄貴の方がよっぽど格好良い。……私、アンタの弟のこと、嫌いだよ。それでも話、聞く?」
これは可愛らしい挑発ですこと。
雅貴「もちろん」
その言葉に頷いたAは、雅貴を通り過ぎて1人で歩き出す。
なんだか似てるんだ、弟に。
ほっておけなくなるから、ちょっとやめてほしい、なんてね。
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しずね(プロフ) - 優花さん» コメントありがとうございます!返事が遅くなってしまい申し訳ありません汗 頑張ります、よろしくお願いします^_^ (2016年10月18日 20時) (レス) id: b7c9368b76 (このIDを非表示/違反報告)
優花(プロフ) - 広斗大好きです!続きが気になります!更新頑張ってください! (2016年10月11日 17時) (レス) id: 4d4b4f8455 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しずね | 作成日時:2016年10月10日 16時