10.秘事、姫事、気になる子 ページ11
最悪だ。
謹慎が解けてから数日経ったが、学校に出て行くのが面倒で家でダラダラと過ごす広斗を見兼ねて、雅貴がじゃあ、と声を上げた。
雅貴「暇ならアルバイトしよう、ね？もう高校生だし、大丈夫。俺の仕事手伝ってよ」広斗「は？」
雅貴は何か物を運ぶ仕事をしていた。兄がヤバイ仕事しているらしい、という噂はあながち間違いではないなと広斗は苦笑する。
広斗「面倒だから、い…」雅貴「じゃあ学校行く？俺のお迎え付きで」広斗「手伝う、手伝う。めっちゃ手伝う」
なぜか手伝うことになった広斗。初めは弟だということで無駄に絡まれて、イラつくことも多かったのだが、慣れた。
ただ、ひとつ慣れなかったのは
広斗(俺は、あまみやひろと、だ)
みんながみんな、雨宮弟だと言う。
喧嘩強く、顔も良い男が雨宮雅貴だ。その界隈だと人しれた名前らしい。
その弟だということを、自覚させられるのが嫌だった。
広斗(本当に俺は、何をしてるんだろ)
ちょっとだけ気になる奴がいて。すっごくムカつく女だけど、なんか気になる奴がいて。
思わずそいつを庇うようなことをして、女殴って謹慎で。
広斗(何がしたいんだろ)
自分が何をしたいのかもわからないし、それに
広斗(アイツが気になるのは、なんでだろ)
よくわからない自分の気持ち。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今日はうちのお得意様だから。ロッキーによろしくね、と言われて渡された紙袋。
ロッキー「雨宮雅貴の弟、か」
また言われた。
ギロリと睨みあげれば、銀色のグリルが黒光りする。
広斗「俺は、雨宮ひ…」
「待って！雨宮広斗！！」
呼ばれたかった、名前だった。
ビクリ、と揺れる肩。恐る恐る振り返れば、それは
広斗「なんで…」
アイツがそこにいた。
もし
その声で、その名をもっと呼んで欲しい、なんて
もし
俺が、お前のことが気になって仕方ないって言ったら
アイツはどんな顔をするのだろう。
漫画のヒロインのようなお姫様思考は、秘密をぶちまけてしまいたい衝動に駆られる。
でも、もし言ってしまったら？
拒絶の意思が返ってきたら？
……怖いーーーーーーーーーー。
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←9.再会は路地裏で
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 87人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しずね(プロフ) - 優花さん» コメントありがとうございます！返事が遅くなってしまい申し訳ありません汗 頑張ります、よろしくお願いします^_^ (2016年10月18日 20時) (
レス) id: b7c9368b76 (このIDを非表示/違反報告)
優花(プロフ) - 広斗大好きです！続きが気になります！更新頑張ってください！ (2016年10月11日 17時) (レス) id: 4d4b4f8455 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しずね | 作成日時：2016年10月10日 16時
