愛され願望少々多め【黒子のバスケ】

全部、偽物。10 ページ10

side：A




「あら、Aちゃん。帰ってたのね。」



2時間前には帰っていたよ。


わたしは夜ご飯を食べて、お風呂に入って、そして寝ようとしたいま、母さんが部屋に来た。
きっといまのいままで、郁人の世話をしていたんだろうな。

わたしのことなんか、どうでもいいんでしょ？いいよいいよ知ってるから。



「もう寝るの？」
「まだだよ。いま宿題やろうと思って。難しいよおー母さん！教えてー！！！！助けてー！！！ヘルプミー！！」
「なに言ってるよのAちゃん。あなたは、ちゃんとできるでしょう？」



………だよね。甘える子は、ひとりで十分だよね。


ごめんねー。わたしなんかが郁人みたく真似して。
ごめんねー。わたしなんかが話しかけて。

わたしは、鼻を擦って母さんを見る。



「まあね！ なんたってAちゃん、天才だから！彰人には負けるけど！」



わたしがそう言うと、ふふっという笑い声が聞こえた。
母さんは「頑張ってね」と言いリビングへ行った。


それだけですかー。そうですよねー。なんたってわたし、どーでもいい子ですもんねー。



「彰人なんか、いなければいいのにさ。
郁人なんか、いなければいいのにさ。」



神様、誰様、仏様。どうかふたりを消してくれ。わたしを一人に、戻しておくれ。


なあんてね。言ってみただけなんですよ。
どうか心の奥底へしまっておいてくださいな。




………………………的な？

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