愛され願望少々多め【黒子のバスケ】

全部、偽物。23 ページ23

side：A




「それは…うまい具合に丸められちゃったんだね、赤司くんに。」
「うん、そうなんだよねえ……。」



次の休憩に出すドリンクを作るわたし。桃井さんはわたしより先輩だけど、ドリンク作りのアシスタントをしてもらってる。

わたしが作り方を説明するのを桃井さんがノートに書いている。…真面目な子だなぁ……。



「ねえねえ文野さん！ 文野さんって、好きな子いる？」
「好きな子！？ ………好きな子かあ……。いませんなあ…。」



「えー残念！」なんて少し悲しそうな桃井さんに悟られないように気をつけよう。

だって軽い受け答えだったけど、心の中は大慌て。

なにこのガールズトーク！！！！
桃井さんってやっぱり女子だなあ！！

したことないや、あんまり。



「……そういう桃井さんは？」
「え、あたし！？ …………あたしはね、黒子くんっ！」
「いるんだ！！ ていうか教えてくれるんだ！！」



黒子くんって、誰なんだろう……。
このバスケ部員、だよね？


一軍かな？ キセキの中にいた？…………いやいやいや…いなかったと思うな。

でも桃井さんが好きになるんだもん…絶対キセキレベルの顔の持ち主だよね？？
今日はお休みとかなのかな？

桃井さんの好きな人のことを考えてたら、桃井さんがノートをぱしんっと閉じた。



「ん？なにか質問ある？？？？」
「うーうん！！ないけど、文野さんってすごいね！」
「すごい？」
「だって、クラブチームのマネージャーやってたにしても、まだ覚えてるなんて！そのチームが大好きなんだね！！！！」



大好き……大好きか…………どうだろうね。
わたしは特にボロを出さないように笑った。



「まあね。」



でも、あんまり深追いは禁止だよ？桃井ちゃん。

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