「及川の元カノです。」

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side：A




かきくトリオとは？？はい！！青城のピンク頭さんから質問いただきました！！その質問にわたしは影山の前に立ち順番ずつ説明をした。



「影山のか！金田一のき！国見のく！合わせてかきくトリオ！中学の時に流行らせたかったんだけど、結局はやらなかったんだよねー。残念残念。」

「A先輩以外には呼ばせませんでした！」

「だいぶ過激派だね」


胸を張る影山、金田一、国見の可愛い3人は一旦置いておいて、わたしの説明に聞き耳を立てていたのかたまたま聞こえていたのかは知らないけど、思った以上の人がなるほどなあと納得してくれたのですこしだけドヤ顔。


中学で流行らなかった分、ここで流行らせるか！なんて勝手に説意表明をしていたら、国見が「ところで携帯変えましたよね」とわたしに話を振ってきた。
一瞬どきりとしたが、あまり顔に出さないように、右手を頭の上にのせてへらへら笑った。



「あー！そうなんだよねー水没しちゃって…」

「後で交換してください。」



言い終わる前に国見の顔が近づいて、それに間髪入れずに「俺も俺も」と金田一と影山が身を乗り出してきた。国見と影山のその光景が珍しいのか、周りがざわついていたのをわたしは見逃さなかった。


国見と影山、ちゃんと部活内でコミュニケーションとれてる？


身を乗り出してまでわたしに交換したいと言ってくれた3人には申し訳ないけど、忘れようとしてた過去だから、あんまりここでまた及川関連の関わりを持ちたくないんだよなあ…。
無難に断らせていただきます。



「今日携帯持ってきてないんだよね！！」

「嘘ですね、交換してください。」

「うわ食い気味〜〜。」



秒でばれた。この食い気味さをバレーに見せてくれないかな？？？



「バレーでサボってる人はちょっと…。」

「戦略的サボりです。でもA先輩が嫌ならこれからはちゃんとプレーをします。」

「あの無気力の国見ちゃんはどこに？？？」



じりじりと詰め寄ってくるかきくトリオに、わたしは自分の選択を悲観した。

嗚呼もう……今後の人生において、関わるつもりなんてなかったのに…。ここで再会するなんて一体全体どういう運命…。


神様を恨めしく思いながら、隅っこに岩ちゃんに真剣な顔でなにを話している及川と横目で見つめた。その顔を見て、思い出す。


『ねえA、俺はお前が大嫌いだよ。』


頭の中で木魂する。でも気付かないふりをした。



ちなみにLINEは強制交換されました。

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