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14.寝起きの機嫌が悪いひとは口も悪い ページ5

Gintoki.


料理出来て、強くて、気遣いもできる、という人としても、この小説のヒロインとしても完璧なAでも、子供の頃からずっと治らないことがある。


「おい〜、お前だぞ、起こしてくれって頼んだの」

『ん……………』


返事をしたかと思うと、また寝息をたてて爆睡し始めた。
そう、Aは朝に弱く、その上寝起きの機嫌が驚くほど悪いという、最悪の2コンボなのだ。
前回、朝ご飯を作る描写があったが、あれは毎日ではない。
朝に弱いAが、俺たちに朝ごはんを作る日は決まっている。
まぁ俺たちは元々、昼は朝みたいなところがあるから、そこは別に困らないのだが。


「ほら、起きろ」

『…あと、1時間50分……』

「いや、それ劇場版銀魂 完結編の上映時間だよな。いいから、永遠なれとかそういうんじゃなくて」

『…銀ちゃん、くさ…い……』

「それに至っては、ほぼ悪口だろうが!!!!!!!!!!!!
臭いで気絶したみたいにするのやめてくんない?」


俺がそこで寝ているAとわちゃわちゃしていると、万事屋の玄関の扉が、ガラガラ…という音を立てて開く。
新八が来たようだ。


「おはようございます…って、また手間取ってるんですか」

「いいか、新八。絶対入るんじゃねぇぞ」

「はいはい、分かってますよ」


そう言いながら、新八は俺とAが寝ている、寝室には入らずに襖の方から「Aさん〜、起きてくださいよ」と軽く言った。


『…ん〜…うるさいよ…8位メガネ…』

「酷くない!!?なんか、起こしただけなのに傷つくんですけど…」


戦線離脱した新八は、万事屋の掃除をし始めた。
神楽はまだ、起きる気配がない。


「…というか、未だに神楽ちゃんと僕、Aさんが寝ている時に部屋に入らせてもらったことないんですけど…」

「当たり前だろ、万事屋閉店の事態になりかねないからな…」

「Aさんをなんだと思ってるんですか、アンタは」


そう俺の事をジト目で見てくる新八に俺は「新八くん、ちょっとここに座りなさい」と万事屋のソファーに座らせて話をする。


「あのな、そんなに軽々しく言えることじゃないんだよ」

「はぁ…なんかあるんすか」


どうせ寝起きの機嫌が悪くて、ずっと悪口言われた〜とかそんなレベルでしょう。と俺に言ってくる新八に首を振って、過去の話を俺は新八にし始めた。

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作者名: | 作成日時:2020年5月11日 21時

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