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「懐かしーな」

『ほんと』


そう言いながら隅々まで掃除をしていく。
銀ちゃんは意外と几帳面に物事を進められるところがあるから、掃除をする時にはもってこいなタイプだ。


「ひゃっほーい!!走り回れるアルー!」

「ちょ、神楽ちゃん!普通に掃除して!」


バタバタして逆にホコリがたちそうだが、まぁ、いてくれるだけでいいから許そう。
私は走り回る2人を笑いながら見る。
視線をそのまま上に持っていくと、荷物があった。

うわ、ここホコリ溜まりやすいから拭きたいんだよねえ。

そう思った私は、少し背伸びして荷物を取る。


『わ、』


荷物が思ったよりも重くて、私は思わず目を瞑る_______


「……っと!!!、あぶねーな!こういうのは銀さんがするから言いなさい、もう」


そう言いながら、倒れかけていた私の体を銀ちゃんの体で支えて、荷物を持ってくれていた。


『うわ、あっぶなぁ』

「Aはとりあえず拭きまくってりゃあいいの」


見てる方が心配になるからやめてくんない!?と言ってくる銀ちゃんに、私はただ頷いた。


「…もっと俺の事頼れよ」

『なんか夢小説っぽくなってきたね』

「いや、言うなよ」


そんな会話をしながら、また私たちは掃除を始める。


「ま、でもさっきの一言は俺の本心だからよ」

『うん、分かってるよ』


なんやかんやで、銀ちゃんは優しいと思う。
…優しすぎて、たまに痛い時がある。
ふざけ無しで、ほんとに、なんだか自分が無力に思えてくる時さえある。

これを銀ちゃんに言ったら、怒られるんだろうけど。


「俺はさ、Aにはだいぶ感謝してるんだわ。こう見えても」

『…うん』


「神楽と新八…その他にも、俺の大事な人を全部受け止めてくれてさ、」

『……』

「だから、ちょっとでも役に立たせてくれって思ってる」


少し照れくさそうに銀ちゃんは話してくれた。
思っでいないタイミングでそんな話をされて私は少し、固まってしまう。


「もしかしたら、Aは少し俺に気使ってることがあるんじゃ
ねーかなって思う時がある」


どうして分かってしまうかなこの男は。


『もしかしたら、そうかもね』

「……」


初めて核心に触れた。
あんなに大声で騒いでいた2人の声が遠くに聞こえるような気がした。


『…ふふ、でもさ、ありがとうって本当にいっつも思ってるよ。信頼も一番してるし』

「…ずるいよなぁ」


ま、いつか色々話してくれや、と言って銀ちゃんは少し満足げに雑巾で床を拭いた。

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作者名: | 作成日時:2020年5月11日 21時

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