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朝
『はい、神楽ちゃーん新八くん銀ちゃん起こしちゃって』
「わかったアル!」
2人はまだ寝ている銀ちゃんを起こしに行く。
私は、その間に3人で作った料理とケーキを机に並べて、待つ。
壁には、神楽ちゃんが書いた絵やお誕生日おめでとうの幕や、新八くんがしてくれた綺麗な飾り付けがある。
「…おいおい、なんだよ二人し…て……」
「ひひ、誕生日パーティーアルよ」
「銀さん昨日いなかったですからね」
『ほら、本日の主役様は座って座って』
そう言って私は、銀ちゃんの背中を押していつものソファへと座らせた。
「ありがとな」
素直にお礼を言う銀ちゃんに、嬉しそうに反応する二人は目をキラキラとさせている。
「よし、食べるアルよ!」
「おいおい、俺が主役じゃねーのかよ」
そう言いつつも銀ちゃんは、いつもより嬉しそうな顔をしていて、2人の頭を撫でていた。
「ワン!」
私たちの傍でご飯を食べている定春はいつもよりも豪華なご飯に喜んでいる。
私は、定春のふわふわの毛を撫でてあげると私の背中に頭をグリグリとしてくる。
『ふふ』
定春と触れ合っていると、3人の視線がこっちに向いていることに気づく。
『?どうかしたの?』
「いや、Aも万事屋に馴染んだなぁと思って」
『それは良かった』
そう言って、私は飲み物を飲む。
「そういえば銀さん何してたんですか?」
「そうアルよ、あんな時間まで」
「それはだな…あー…」
焦りすぎてダラダラと分かりやすく冷や汗を流している銀ちゃんは、私に助けろ、とでも言いたそうに目線を送ってきた。
私はしょうがない、と思い誤魔化すのに手伝うことのした。
『銀ちゃんはね、大量の野良猫に追いかけられててずっと逃げてたんだって』
「絶対嘘アル」
「(バレてんじゃねぇかよ)」
『(うるさい)』
誤魔化すのに失敗した後も、何となく濁して楽しくお誕生日会を乗り切った。
「銀ちゃん」
「なんだ?」
急にモジモジとしだした神楽ちゃんを見て、銀ちゃんは神楽ちゃんが何かを言うまでゆっくり待っている。
『ほら、言うんでしょ神楽ちゃん』
「うん…、銀ちゃんいつもありがとうアル」
差し出した花を銀ちゃんが受け取る。
『その花、新八くんも一緒に見に行ったんだよ』
そう言うと、新八くん神楽ちゃんは銀ちゃんに頭を撫でられている。
『…あれ?銀ちゃん泣いてる?』
「泣いてねぇ」
そう反応する銀ちゃんにみんなで笑った。
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作者名:雫 | 作成日時:2020年5月11日 21時