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you.
『はぁ、刑事さんとケーキ食べるなんて滅多にない経験だったなぁ…』
と、呑気に呟いていると、ピンポーンとまた家のチャイムがなった。
今日は来客が多い…そういう日だろうか。
『は〜い!』
モニターで確認すると、そこには1人の男性がいて全く知らない人だった。そこで私の記憶は1年前止まりだと痛感する。
「あ!あの302号室の手塚翔太です!」
『あ、今すぐ開けますね!』
ガチャ…とドアを開けるとそこには、さっきまでモニターには写っていなかった男性がいた。
そして、その男性を見るのは決して初めてではない。
『え、忍?』
「え、なになに!2人ともまさか知り合い!?」
手塚さんが私たち二人を交互に見て、面白いものを見た!というふうに見てくる。
その直後、ちょっと待ってて!と慌ただしく言ってどこか行ってしまった。
「なんでここにAがおるんよ」
『なんでって入りたかった会社から近かったけんに決まっとるじゃろ』
「でも、昨日までおらんかったし、何しとったん?」
『…それは…多分手塚さんにも話さんといけんくなるけん、まとめて話すね』
まぁ、上がってよ。とさっきの広島弁のトーンとは違い標準語に戻したところで手塚さんが戻ってきた。手には鍋があった。
『…うん!美味しい!!』
持ってきた鍋は、みんなで食べるために持ってきたらしい。
手塚さんは料理が上手だなぁ…。
「でしょでしょ!!…それでさ、くるみちゃん、突然なんだけど、聞いてもいい?」
『あ、全然いいですよ』
「どうして、1年間も家を開けてたの?」
聞かれると思いました〜なんて頭の中で思い、水餃子をひと口食べたあと、私は2人に説明した。
『1年前の交通事故で、植物状態だったんです。だからずっと病院にいて』
「あ、そうなんだ…だから…」
私は頷いて、にんじんを箸で取り口の中に入れると甘みが口いっぱいに広がって自然と笑顔になる。
「あれだね、どーやん」
「なんですか」
「今度からくるみちゃんも晩御飯に誘おう。どーやんだけだと俺の料理不味いのか美味いのかわかんないから」
「は?なんで」と話す忍を無視して手塚さんは「いいよねー?」と聞いてくるため私は頷く。
露骨に嫌な顔をする忍に勝利の微笑みをふっとかけておいてやった。
「あ、あと、このマンションの…」
『…交換殺人ゲーム…ですか?』
神谷さんから後で聞いた話だ。
静かに頷くと、先程の雰囲気とは違い真剣な顔をして話し始めた。
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雫(プロフ) - うみさん» コメントありがとうございます! 更新する度に楽しく読んで下さりありがとうございます!更新ができない時もありますが、最後までよろしくお願いします! (2019年9月19日 18時) (レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - 更新される度に楽しく読ませてもらってます!これからもムリせず更新頑張ってください! (2019年9月16日 20時) (レス) id: 916f75cb10 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「空いてますよ」ではなく、「開いてますよ」です。 (2019年9月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 無さん» コメントありがとうございます!この小説を好きと言って貰えて嬉しいです!更新、頑張ります! (2019年8月31日 7時) (レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
無 - こんにちわ!この小説好きです!更新待ってますね! (2019年8月30日 22時) (レス) id: 06b55d11a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雫 | 作成日時:2019年8月22日 22時