. ページ12
.
『う〜ん、あ!打ち上げ花火が始まる時間に集合でもいい?それだったら行けるから』
「…本当に!いいの?…Aさん、本当は他の人と行く予定じゃ…」
そう、シュンっとする総一くんに私は『ううん』と首を振った。
『総一くんとのお祭りも楽しみだから』
そう言うと、私の階までやって来ていたことに気づいて私はドアを開けた。
『じゃあ、明日の日時とかは前に教えてもらった連絡先に送っとくね!』
「うん!」
そう言って、彼の姿が見えなくなるまで、手を振っていると急にドアが全開になった。
その大きな音に、少し肩をビクつかせた。
そのエレベーターの中から総一くんが再び出てきた。
『ど、どうしたの?総一くん』
「指切り」
『え?』
「指切りげんまん、しませんか?」
あまりにも可愛らしい要望に、私は『うん』と笑顔で頷いた。
お互いの小指を重ね、ぎゅっとして小さく振る。
「『ゆびきりげーんまん 嘘ついたら 針千本 のーます! 指切った!』」
それだけすると、総一くんは笑顔のままエレベーターへと乗って私に手を振った。
私も再び振り返して、自分の部屋へ帰った。
私はソファーに座り、スマホである人の連絡先画面を開いた。
今更だけど…神谷さんにお礼のメッセージを送っておこうかな…?
そう思い、神谷さんに貰ったブルーベリーとイチゴのジャムを写真に撮り、メッセージと一緒に神谷さんに送信する。
A先日はジャム、ありがとうございました!
神谷いえ…口に合いましたか?
A…飾ってます笑
神谷何やってるんですか、食べてくださいよ
Aもうちょっと、飾ったら食べます!
神谷そうしてください
思いのほか、返信が意外と早くてちょっぴり嬉しい。
それにきちんと、話してくれた!
プライベートで話すのは、初めてだから嬉しいなぁ…。
でも私は、神谷さんの仕事の邪魔になってはいけないとメッセージを送るのを最後にした。
「何かあったら連絡してくださいね」
と、聞き慣れたセリフが出てきて神谷さんらしいなぁ。なんて思い『わかりました、ありがとうございます』と返事をしてスマホの電源を落とした。
私は、ソファーから立ち上がってカーテンを閉めた。
『戸締りしっかりしなきゃ…』
完璧に、絶対に。
471人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雫(プロフ) - うみさん» コメントありがとうございます! 更新する度に楽しく読んで下さりありがとうございます!更新ができない時もありますが、最後までよろしくお願いします! (2019年9月19日 18時) (レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - 更新される度に楽しく読ませてもらってます!これからもムリせず更新頑張ってください! (2019年9月16日 20時) (レス) id: 916f75cb10 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「空いてますよ」ではなく、「開いてますよ」です。 (2019年9月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 無さん» コメントありがとうございます!この小説を好きと言って貰えて嬉しいです!更新、頑張ります! (2019年8月31日 7時) (レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
無 - こんにちわ!この小説好きです!更新待ってますね! (2019年8月30日 22時) (レス) id: 06b55d11a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雫 | 作成日時:2019年8月22日 22時