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『う〜ん、あ!打ち上げ花火が始まる時間に集合でもいい?それだったら行けるから』

「…本当に!いいの?…Aさん、本当は他の人と行く予定じゃ…」


そう、シュンっとする総一くんに私は『ううん』と首を振った。


『総一くんとのお祭りも楽しみだから』


そう言うと、私の階までやって来ていたことに気づいて私はドアを開けた。


『じゃあ、明日の日時とかは前に教えてもらった連絡先に送っとくね!』

「うん!」


そう言って、彼の姿が見えなくなるまで、手を振っていると急にドアが全開になった。
その大きな音に、少し肩をビクつかせた。
そのエレベーターの中から総一くんが再び出てきた。


『ど、どうしたの?総一くん』

「指切り」

『え?』

「指切りげんまん、しませんか?」


あまりにも可愛らしい要望に、私は『うん』と笑顔で頷いた。
お互いの小指を重ね、ぎゅっとして小さく振る。


「『ゆびきりげーんまん 嘘ついたら 針千本 のーます! 指切った!』」


それだけすると、総一くんは笑顔のままエレベーターへと乗って私に手を振った。
私も再び振り返して、自分の部屋へ帰った。






私はソファーに座り、スマホである人の連絡先画面を開いた。

今更だけど…神谷さんにお礼のメッセージを送っておこうかな…?

そう思い、神谷さんに貰ったブルーベリーとイチゴのジャムを写真に撮り、メッセージと一緒に神谷さんに送信する。



A先日はジャム、ありがとうございました!
神谷いえ…口に合いましたか?
A…飾ってます笑
神谷何やってるんですか、食べてくださいよ
Aもうちょっと、飾ったら食べます!
神谷そうしてください




思いのほか、返信が意外と早くてちょっぴり嬉しい。
それにきちんと、話してくれた!
プライベートで話すのは、初めてだから嬉しいなぁ…。

でも私は、神谷さんの仕事の邪魔になってはいけないとメッセージを送るのを最後にした。



「何かあったら連絡してくださいね」


と、聞き慣れたセリフが出てきて神谷さんらしいなぁ。なんて思い『わかりました、ありがとうございます』と返事をしてスマホの電源を落とした。


私は、ソファーから立ち上がってカーテンを閉めた。


『戸締りしっかりしなきゃ…』



完璧に、絶対に。

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(プロフ) - うみさん» コメントありがとうございます! 更新する度に楽しく読んで下さりありがとうございます!更新ができない時もありますが、最後までよろしくお願いします! (2019年9月19日 18時) (レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - 更新される度に楽しく読ませてもらってます!これからもムリせず更新頑張ってください! (2019年9月16日 20時) (レス) id: 916f75cb10 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「空いてますよ」ではなく、「開いてますよ」です。 (2019年9月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 無さん» コメントありがとうございます!この小説を好きと言って貰えて嬉しいです!更新、頑張ります! (2019年8月31日 7時) (レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
- こんにちわ!この小説好きです!更新待ってますね! (2019年8月30日 22時) (レス) id: 06b55d11a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月22日 22時

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