99 →置き手紙 ページ5
忍術学園の早朝、皆が朝ご飯を食べようと食堂に足を運んでいる中、騒ぎは起こった。
バタバタと荒々しい足音が聞こえ、何事かと思い食堂にいる皆が視線を食堂の入り口へと向ける。
その複数人であろう賑やかな足音と共に荒い息継ぎが聞こえ、ようやく正体が顔を出したかと思えば、それは桃色の忍び装束を身に纏ったくのたまたちだった。
くのたまたちは一度にぎゃいぎゃいと騒ぎ出し、一斉に何かを伝えようとするが、当然聞き取れるわけがない。
「お、落ち着いて。なにがあったの？」
朝食を食べていた箸を置いた伊作は、未だ賑やかなくのたまたちを宥める。
「どうどう」なんて伊作は言うが、くのたまたちは声を揃えて「それどころじゃないんです！」だなんて言うものだから、伊作は圧に押されて小さく声を漏らした。
「はい……」だなんて頼りない声を漏らすものだから、ユキは怒ったように懐へと手を入れて何かを探す。
その何かを掴んだ手を、食堂にいる忍たまたちへと向けると、ユキはこれでもかと言うぐらい大きな声で言った。
「高嶺先輩が忍術学園を去っちゃったんですよ！！！！！」
「「「「「え、えええええええ！？」」」」」
ユキの手には、Aが書いたであろう綺麗な文字で「探さないでください。高嶺」と綴られている。
隣にいるトモミが言うには、Aの自室の机の上にこの手紙がポツンと置いてあったようで、すでにAの姿はなかったようだ。
更にシゲは、急いで小松田のもとへ走り、Aが来なかったかと聞けば……
「ああ、着たよ。凄く不機嫌だった……。そういえば、忍術学園を出る前に、学園長先生と話があったらしいけど……」
だそう。
学園長に話を通してある、と考えると更に話に真実味が増してきたこともあり、食事中の箸をダアン！と机に叩きつけると、Aに懐いている二人の忍たまがくのたまの持っている手紙に飛びついてきた。
「こ、これ本当にA先輩が書いたのか！？悪戯とかじゃなくて！？」
「いえ！これは間違いなく高嶺先輩の文字！間違えようがないです！」
Aに懐いている忍たま……浜守一郎と黒木庄左ヱ門は荒々しく手紙を奪うと、交互に穴が開くんじゃないかと思うほど見やる。
だが、その手紙は何度見ようとAが書いたものであることは間違いなかった。
ちなみに佐藤こはるはと言うと、まだ寝ていた。
この女、朝が苦手なためいつも誰よりも遅く起きるし、誰よりも遅く寝るのだ。
仕事もしねえでなにやってんだよ
祝！100 →だって、ねえ？→←98 →ただで転ぶと思うなよ
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Lynn - タジロさん» Lynnです。今見ました、戸部様を出してくれてありがとうございます！内容的には面白かったですし、これからもこのシリーズ、続いて欲しいと思ってます (8月31日 15時) (
レス) @page45 id: b7c4ae609e (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - タジロさん» はじめまして！初コメントがこんなのですいません…作品は愛読しています！新野先生だったんですね…医学の心得があるからでしょうか？これからも応援しています！ (8月19日 23時) (レス) id: 407aeb7a76 (このIDを非表示/違反報告)
タジロ(プロフ) - めろんぱんさん» はじめまして、コメントありがとうございます！ですね。高嶺の言っている通り房中術は授業で一度限りですが終えております。お相手は高嶺ちゃん資料集に書きまとめましたので顔ありの夢主が地雷でなければ是非ご覧ください……！ (8月19日 23時) (レス) id: bcff2be84f (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 主人公ちゃんは房中術をやったことがあるんですか…？ (8月19日 23時) (レス) @page41 id: 407aeb7a76 (このIDを非表示/違反報告)
Lynn - タジロさん» タジロさん、仕事の方も更新の方も体に気をつけて頑張って下さい。昨日はなんか申し訳なかったです。 (8月6日 16時) (レス) id: 3d10a0695d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：タジロ | 作成日時：2023年5月10日 2時
