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24 弱音は見せない ページ25

やがて、その場から人は立ち去り、残るのはAと隠れている竹谷の二人きり。
竹谷は、あのくのたますっげえ!と目を輝かせていたが、次第に様子が変化していくのに気がついた。

……そう、Aが肩を震わせているのだ。
次第に背中を丸め、嗚咽を出しながらもその場にしゃがみ込むA。
その姿は見間違えることなどない、完全に泣いており、竹谷は驚いていた。

「ひっく……うっ」
「ふざけんじゃないわよあの胴長短足……みてなさ……うっ」
「泣くな……泣くな……」

上級生の広い長屋の中で、一人ぽつんと泣いているAを見て、ようやく理解した。
あの子は、決してへっちゃらなどでは無かったのだ。
ただ、人前では決して弱音を吐かないだけだった。それをシナはわかっていたのだろう、早々に立ち去ったのは、おそらくその為だ。
傷が痛むのか、体を縮め、泣き言を聞かれるのが嫌でしょうがないのか、口を抑え。

でも、竹谷には丸聞こえだった。

あんなに震えてるのに、上級生に一人で立ち向かって、凄いと思った。
ただ、それだけじゃ無かった。
あの、誰にも頼れない小さな背中を、守ってあげたくなった、隣に立ってあげたくなった。
支えてあげたくなった。

……だが、今の幼い自分には叶わない、だから、もう少し大きくなってから。
そう、竹谷八左ヱ門は抑え込んでいたのだ。



竹谷はその場を走り出す。
向かうのは、実技帰りであろう五年生の高嶺Aと、顔を真っ赤にした久々知兵助のもと。
話をしている二人を見ているだけで、どうしようもないほどに胸が苦しくて、辛くて、痛い。

隣にいるのは、俺じゃなきゃダメなんだ。


「A、傷開いてるじゃねえか。医務室行こうぜ」


包帯の巻かれていない方の腕を、そっと握る。
唖然としている久々知をよそに、その手を引いた。

「え、どっから湧いたよ。しかも急に名前呼びじゃん。何様?」
「竹谷様!」
「くそ生意気じゃん殴るぞ」

年を重ねて、Aはあの時より優秀になって竹谷も成長した。
今なら、あの時から膨らんでいる思いを吐き出してもいいのだろうか。
……まだ、そんな度胸は竹谷八左ヱ門にはなさそうだ。

竹谷の慕っているの意味は、最初こそは憧れだったが、いつからか、恋愛的に変わっていたらしい。
同じ学年の友人に嫉妬に狂う自身の感情に、どうしようもないくらい眩暈がした。

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りにゃ(プロフ) - タジロさん» 強烈な焙烙火矢で無事爆破しました!ありがとうございます!!感謝しかないです! (2023年4月17日 23時) (レス) id: 5371188503 (このIDを非表示/違反報告)
しらたき - 浜くんありがとうございました!とても面白かったです!更新楽しみにしています。頑張ってください! (2023年4月17日 21時) (レス) @page48 id: ff521c0d45 (このIDを非表示/違反報告)
タジロ(プロフ) - あさん» ハチの惚気!書いててすごく楽しそうなやつきて私もテンション上がっております!是非書かせていただきますね!コメント、リクエストありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです〜! (2023年4月17日 8時) (レス) id: bcff2be84f (このIDを非表示/違反報告)
タジロ(プロフ) - りにゃさん» おおっと、尾浜くんですか……考えてなかった。ストーリー練りますので少々お時間いただきますね!コメント、リクエスト、更新の応援ありがとうございます!とりあえず爆発するように焙烙火矢投げときますね (2023年4月17日 8時) (レス) id: bcff2be84f (このIDを非表示/違反報告)
- めちゃくちゃ面白い作品どうもありがとうございます!!! (2023年4月17日 7時) (レス) @page44 id: bedbe88999 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タジロ | 作成日時:2023年4月1日 2時

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