集合 ページ43
「ごめんなさい……私……」
「いいんです。貴女は正しい。けど、貴女にだけは、言われたくなかった……!!」
そうだろうな、そうだよな。こんな私なんかでも、彼女からしたら尊敬する人で、なりたい存在だったんだものな。
「――――私は、貴女の思う私じゃないし、そんな私になることも出来ない。だから、本来はさっきみたいなことを言っても良い人間じゃないことは謝っておく。でもね」
私もさっきは言い過ぎた。それでも。
「晋助に手を出すのは違うだろ……!!」
仮に本当に私が晋助に悪い意味で近づかれていたとしても、それは私や彼に注意するなりすればいいことで、決して暴力で解決すべきことではない。こんなことは、間違っているだろ。
なんで、そんな手段選んだんだよ。
「こんなの、間違ってるって分かってたんだろ……なんで……!!」
「―――ッ……もういい。八田みんなを帰らせて」
ケーキは春雨高校の体つきの一際良い男子生徒にそう告げる。淡々と、感情の無い声で。
しかし。
「オイオイ何言ってんだよ伊吹ィ!せっかくあの高杉晋助をぶっ倒せるチャンスなんだぜ!!邪魔してんじゃねーよ!!」
「はァ!?ふざけないでよ八田!!こっちは金払ってんのよ!?いうこと聞いてよ!!」
あ、素ではケーキさんもそんな感じなのね。
「俺はあの高杉を良いように出来るって聞いたから協力したんだよ!アイツぶっ潰して俺がこの辺一帯で最強になんだよ!」
「アンタなに馬鹿なこと言ってんだよ!この状況で勝って最強なわけあるか!学内ですら下っ端のくせに!!」
「なんで伊吹がんなこと知ってんだよ!!」
なんだこの茶番。てか八田君下っ端なのかよ。それで数に頼ってたのか……。
などと考えていたら、他の生徒達も騒ぎたて始めた。
「ふざけんな八田!やっぱテメー手柄一人で総取りしようとしてやがったな!!」
「一人勝ちだなんて許さねーぞ!!」
あーこれはあかんやつじゃねーの?謎の盛り上がりを見せる不良達は統率を失い、我こそはと晋助ににじり寄る。
その傍らにいるまた子さんは慌てる様子を見せるが、その周りに3つの人影が現れた。
一人は武市さん。あとの二人は私の知らない人だ。
「万斉先輩!!似蔵!!」
また子さんが2人をそう呼ぶ。さっき待っていた仲間は彼らのことか。
「こんなに大きな喧嘩は久しぶりでござるな」
「腕がなるねェ」
……この2人は本当に高校生だろうか。謎の貫禄があるぞ。
てか武市さんもわりと老け顔だしまた子さん見た目だけだとこの中でめっちゃ浮いてんな。
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作者名:mire | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/456/0601kamui330/
作成日時:2019年3月17日 16時