【銀魂3z】失望しないで高杉君 (ページ33)

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緊迫ページ33

あのあと、学校に戻ったはいいが程よい言い訳が見つからなかった私は、呼び出してきた担任に正直に「幼いころの友人に連れ出されていました」と正直に答えた。意味が分からんと言いたげな担任をスルーして教室に戻った。

そこから放課後まではいつもの生活と変わりなかった。

そう、放課後までは。

放課後。
私が校門を出たところに、うちの使用人が立っていた。

天野じゃないやつだ。両親のまわりによくいるやつ。
つまり、姉の本当の事情を知らないやつ。

「お待ちしておりました。A様」

目が合うと同時に深く頭を下げられる。
なんだか最近私への客が多いなこの学校は。

「なんですか」

「車を近くにつけてあります。どうぞこちらに」

「迎えを頼んだ覚えはありません」

私のカバンを持とうとする使用人の手をはじく。何なんだ。いきなり。
今まで頼んでもないのに迎えを寄越したことなんてなかっただろう。

「一体、何のつもりです。答えていただけるまで車には乗りません」

「奥様がお呼びです」

「母様が……?」

顔の筋肉が強張るのを感じた。
何故？母が私を呼び出すなんて。それもこんな緊急で。

「何かあったんですか」

「それは奥様が直接お話します」

「何か聞いていないの」

「私は聞かされておりません」

「そう……分かったわ。とにかく、貴方に従います。車はどこですか」

「こちらに」

案内されるままに車に乗る。本当に何なのだろうか。
車の窓から見えた下校する生徒の中にやたら急ぎ足のケーキ女がいた。何やってんだ、アイツ。

着いたのは、意外にも家だった。
なんで職場じゃないんだ?平日だぞ。

母の書斎に連れていかれる。
扉を開くといつもの通り眉間にしわを寄せた母がいた。

「母様、お久しぶりです」

母は私のことを無視して「貴方はもう下がりなさい」と使用人を追い出した。
いや、挨拶くらい返せよ。どんだけ軽んじられてんだ私は。

「A、貴女どういうつもりなの?」

「どういうつもり、とは?質問の意図が分かりません。説明していただけますか」

「今日の午後、学校を抜け出して何をしていたの」

……もうバレてんのかよ、はえーな。

「昔の友人と会っていました。急ぎの用で連れ出されて」

「平日の昼間に?」

「……えぇ」

まあ、事実だし。

「ろくでもない人間のようね……まさか、小学校の頃の友人ではないでしょうね」

うーん困ったな。