桂君と話すと毎回疲れる ページ17
で、だ。
「何しに来たの」
とにかく本題に入りたい。
「あぁ、高杉にお前が百合原女子学園に……」
「あ、ちょっと。ちょっと待って。質問の順番変えさせて」
予想だにしない名前が出てきたことに驚き、二回目にしようと思っていた質問を先にすることを求めた。
だって心の準備できてねぇよこんなの。いきなりやめてくれよ。
「アンタそのカッコ何」
私は奴のセーラー服を指さした。
「あぁ、これは学校に予備のものを借りたんだ」
「いや入手方法聞いたんじゃねーし。つか何で貸してくれたんだよ。先生もおかしいと思えよ。
そうじゃなくて、何故そんな姿でうちの校門に立っていたのって聞いてんだけど」
「何言ってるんだ、A。お前の学校は女子校であろう。その校門前に学ランの男が立っていたらおかしいではないか」
「セーラー服の男よかマシだよ」
何でコイツはこう人よりちょっとずれてんだよ。
昔からおかしかった記憶はあるが、なんか悪化してる気がする。前はもうちょっとマシだった気がする。
「みんな怯えていたでしょう。めっちゃ目立ってたし」
「化粧もしていたのだが、男とバレていたのだろうか」
「いたのだろうか、じゃないだろ。逆になんでバレてないと思えるんだよ。めっちゃ見られてただろ」
「いや、他校生が珍しいのかとばかり」
「そこまで他との関り閉鎖されてねーよ。うちの生徒なめてんのか」
あぁだめだ。完全に会話のペースを取られている。振り回されている。
コイツと話すと昔からこうなる。
晋助といた頃、桂は奴と親しかったから、私ともたまに話したりしていたが根本が噛み合わないのでまともな会話にならないうえに、ペースをとられるので非常に体力を使う。
嫌い、とかではないのだが、機嫌の悪い時に来られると私の心の許容範囲を超えてしまうので友達であるとも言いたくない。
ところでそろそろ覚悟もできたし、本題といきたいところなのだが。
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作者名:mire | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/456/0601kamui330/
作成日時:2019年3月17日 16時