【イナGO】お嬢様のお気の召すままに。【天河原】２ (ページ11)

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第四十一話ページ11

テーブルに広げていたお弁当を見つめる。

「京介」

剣「はい、なんですか？」

京介はお弁当の蓋を開けながら返事をする。

「下ろしてくれないと食べれないのだけど。」

剣「そうですね。」

「そうですね。じゃないわよ！

いつまで抱っこしてるの！もう泣いてないわよ!!」

退こうとすると抱きしめてきて離さない京介

嬉しいけど、食べにくい。

何より京介がお弁当を食べれない。

それに、この状態でいるのも恥ずかしい。

剣「先輩いい匂いしますね。」

「もうっ、話しを聞きなさいよ！ばかばかっ」

京介の腕に爪を立てて怒る。

でも痛くないのかなんの反応もしない京介。

ため息を吐くと、部室の扉が開く音がした。

音にびっくりして振り向くと、ゼリー飲料を飲みながら入ってくる隼総がいた。

隼「あれ、見ないと思ってたらこんな所に居たのか。

誰も居ないとこでイチャイチャしてるなんて、お前もやるね」

クスクスと笑いながら隼総が京介の後ろまで歩いてくる。

雷門とは違う白い学ラン。

こう見ると王子様感が凄いわね。

剣「何しに来た。」

隼「おいおい、そんな睨む事ないだろう？

俺と話したがってる女の子たちがうるさいから逃げてきたのさ。

人気者はつらいな」

剣「はっ、不能者のお前の事だ。

怖くなって逃げてきただけだろう？」

お互い、顔は笑っているけど目が笑っていない。

バチバチと火花が飛んでいるのが見える。

「不能者って？」

剣「先輩は知らなくていいことです。」

明らかにやばい、という顔をして私の耳を塞ぐ京介。

この話に置いていかれてる感がとても気に食わない。

隼「俺からすると、あんな汚い事が出来る奴らの気が知れないね。

おこちゃまの剣城には分かんないだろうけどな。」

真顔に戻って、後ろにあったテーブルに腰掛ける隼総

話がよく分からないけど、たぶん口を挟んじゃいけないのは分かる。

二人は黙り込んで、お互いを睨んだ。