流されて二十八回目 ページ29
「...来てしまった...。」
華やかなネオンを背に立ち尽くす。
私の目の前にあるはいつぞやのホストクラブ。
...不可抗力である。
ただ、あの日何故私を誘ってくれたのかを知りたかっただけ。
もしかしたら営業上そうするのが普通なのかもしれないけれど、あのディビジョン代表の告知を見てから、どうしても気になって仕方なくなってしまった。
ただ、
「来たはいいものの、どうしたもんかなぁ...。」
仕事帰りだからスーツだし、真美もいない。
正直、結構キツい。
仕方ない。
「帰ろう。」
そう言ってその場を後にしようとした時。
「あれ？一華ちゃん、だっけ？」
「あ...えっと、ハルヤさん？」
「惜しい。ハルト、だよ。」
そう言ってふわりと笑う目の前の彼。前回来た時真美のお相手してた人だ。
「一華ちゃん、また来てくれたんだね。受付まで案内するよ。」
「あ、いえ。たまたま通りかかっただけなので。」
「え、そうなの？俺はてっきり一華ちゃん“も”GIGOLOに指名かなと思ったんだけど...。」
も。
そのたった一音に、思わず眉をひそめてしまう。
「今、指名多いんですか。GIGOLOさん。」
「え？あ、あぁ。あいつ、ディビジョンの代表になったって、また指名増えたんだよ。」
仕事、取られちゃったな。と爽やかに笑う彼。
そっか、また有名になったんだ。
なんだか、私には関係のないことなはずなのに。
複雑な気分。
「...。」
あれ、なんだろこの気持ち。
「...。
あのさ、一華ちゃん。」
「え？あ、はい。何ですか？」
先ほどの笑顔が薄れ、真剣な表情を浮かべた彼が口を開く。
「僕が、相手しようか？」
神さま、教えてください。
この場合、彼と周りの女の子、
どちらに流されていけばいいのですか。
便乗って、楽なものではなかったでしょうか。
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なる(プロフ) - めっちゃ面白いです!!続いて欲しいな・・・ (2020年9月24日 21時) (
レス) id: 37ee618d0f (このIDを非表示/違反報告)
どんたこす - 設定(表示画面)上「完結」と表示されていますが実際そうじゃないですよね 投稿頑張ってくださいね。あとを惹かれる文章となっているので自信持ってくださいね。 (2019年10月20日 23時) (レス) id: 8e3203b515 (このIDを非表示/違反報告)
キユぎつね - この微妙にシリアスがあるところいいっスね!!尊敬しまっす！姉貴ぃ！! (2019年6月14日 22時) (レス) id: 00266d32c6 (このIDを非表示/違反報告)
桜月花(プロフ) - dekuさん» ありがとうございます！無理やり29歳組を引き込みました（笑）喜んでもらえて光栄です！これからもよろしくお願いします！ (2019年5月5日 20時) (レス) id: 8714acda80 (このIDを非表示/違反報告)
deku(プロフ) - 作品に引き込まれました…！！いきなりの入間さんに興奮してる今日此の頃です！！更新頑張って下さい！！ (2019年5月1日 22時) (レス) id: b98b6ba213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜月花 | 作成日時：2019年1月28日 20時
