陽だまりの５人組 (ページ45)

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ある日、旧校舎の廊下で（大宮ver.）ページ45

オーストリア旅行から帰って来て数日。

旧校舎には、普段と変わらない空気が流れている。

まあ少し変わったことと言えば、廊下にこの前までなかったモノがあるくらいだろうか。

数日前のことである。
大野はオーストリアから帰ってくるなり一言。

「やっぱり部活連絡用の掲示板いるよね。」

何が発端で言い出したのかはパルプンテであるが、とにかく大野は掲示板が作りたかったらしい。

櫻井から受け取った部費(何に使うかもわからないのに大野に頼まれるとホイホイ渡してしまう櫻井も相当甘いが)を握り締めホームセンターへ行き、板を担いでニコニコ戻ってきた。

そして次は用務員室からノコギリを失敬し、
ドリルやら釘やらも失敬し、(智くん色々借りパクしすぎ！！という櫻井の声が聞こえたのは幻聴ではないはず)
旧校舎の入り口でギコギコやっていたのである。

２日目の夕方、コーティング剤を施し紙ヤスリまでかけ、

「出来た！！」

満面の笑みで完成させた掲示板を見た面々は改めて大野の手先の器用さに感動したのであった。

何せプロ顔負けレベルの彫刻まで施されているのである。

その翌日。
掲示板には、しっかりと一枚のメモが張られていた。

よく近付いて見ると、

『カズへ。愛してる』

２日目に見るともう一枚
『智へ。だあいすき。
最近髪型変わらないね』

３日目
『そうだね。お揃いにしよっか？？』

「「「……………。」」」

毎日着々と増えていくメモの枚数。

そもそも、部活連絡用に作ったんじゃないんかい！

「でもさ、俺らの部活ってそんなに連絡事項なくない？？」

「確かに。」

『智へ。面白い釣り動画見つけたからLINEしといたよ』

お前らそれ掲示板要らねえだろ！と言いたくてもご機嫌な二人を見ると言えない櫻井相葉松本であった。