プロローグ ページ2
「ん？あんた香水つけてる？」
女釣り男子からは凄く濃いバラ？のにおいがした。
だからそれを指摘した。一応学級委員長だし。
ただそれをいうと女釣り男子は驚いた目をした後面白いおもちゃを見つけたみたいな表情をして席に座った。
「今週は読書週間だ。そのため、読書記録のプリントを配る。」
列の前からプリントが回される。
「ん。」
そう言って女釣り男子がプリントを渡してくる。
「ありがと。」
受け取ろうと手をサービス差しだした時、ピリッとプリントの端が、指の腹をかすめた。
「いたっ…」
小さく鋭いい痛みが指に走る。
ああ、ダル…
人差し指を見ると、赤い筋が走って、そこからぷっくりと、血が盛り上がるのが見えた。
カットバンは持ってないし…
舐めるか…
なんて思って口元に持っていた私の手はある人物によって止められた。
「は？」
私の手を止めたのは女釣り男子だった。
そのまま女釣り男子は血がちょっとだけ出ている私の指を、自分のほうへと引き寄せて…
パクッと口に加えた。
「は？」
舐めた？人の指を？初対面の人の？(一応)女子の？指を…
舐めた!?
私はすぐに手を引き抜こうと思った。
しかし、
「へっ!?」
甘い砂糖を食べたみたいな、ちょっと熱があるよな感覚に襲われ、うまく抵抗出来なかった。
しばらくすると彼は自分から私の指を引き抜いた。
(なんだったの、今の…)
何が起きたのか、私は理解できなかったが
指先の血が止まったのと、私の顔が熱いことだけは分かった。
(何考えてるんだ私！私らしくないぞ！)
まて、冷静に考えろ、血を吸われた？ヴァンパイア…？
私はヴァンパイアの存在を知っている。私のお母さんの再婚相手がヴァンパイアだったからだ。
でも本当にそうなら…
転校生の霧島兄弟は…
私の弟…？
転校して来た女釣り男子は私の弟でした。
平和な日々が終わる音がした。
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作者名：ただの小説好き元図書委員 | 作成日時：2022年9月11日 8時
