―失声症― ―にのあい―part１４ (ページ1)

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和「雅紀は本当に優しいね

優しくて……こうしてると安心する」

と言って、和也は俺の肩にもたれかかった

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和「家族の悩みって……苦しいよ」

雅「……」

和「だって、ね？誰にでも気軽に相談できないじゃん」

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確かに家族の悩みって

そう簡単に人には相談できないかもなぁ

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和「しかも……幸せな家庭に育った人には

到底理解してもらえないじゃん

だから苦しい。家族の悩みは息ができない程苦しいよ」

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和也……

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和「あんたは……どうなの？

家族といて、幸せだと思った？」

雅『うん』

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正直に答えた

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そしたら和也は

「いいなぁ……」と呟いた

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和「じゃあ、寂しくない？

親と離れてここで住み込みで働いてるの……」

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俺の場合は

そういう問題じゃないんだよ

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雅『実は両親はもういないんだ

父さんも母さんもいなくなっちゃった』

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あえて

死んだ、とは言わなかった

この場の空気を極力暗くしないために

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和「……それ…本気で言ってる？」

雅『うん』

和「……」

雅「……」

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俺らの間には気まずい空気が流れ続けた

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