―失声症― ―にのあい―part９ (ページ17)

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■―２５７―　ページ17

智side

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あれから慎夜くんは家に帰って

気づけば夕飯の時間帯になってた

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智「よし……。できた……」

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夕飯を作り終えて、大きく伸びをした

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あれから和も自分の部屋に戻っちゃって

広い空間に僕１人

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ご飯の前に、雅紀くんと話をしないとな……

２階に上がって部屋のドアを数回ノックした

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智「雅紀くん？おーい、雅紀くーん？」

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何度もノックして

何度も名前を呼んだけど反応はなし

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部屋のドアを開けてみると室内はもぬけの殻

雅紀くんの姿はなかった

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智「……嘘…」

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雅紀くん、外出してたの？気づかなかった……

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僕は咄嗟に潤の部屋に駆け込んだ

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智「潤っ！

雅紀くん、どこ行ったか知らない？」

潤「は？相葉？知らないけど……」

智「いつの間にか、外出したみたいで

……ちょっと心配だから、その辺見てくるね！」

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急いで階段を駆け下りて

家を出た

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もう子供じゃないんだから

大丈夫なんだろうけど

何故か心配でたまらなかった

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智「雅紀くん……どこ行ったんだろ……」

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僕はもう雅紀くんを傷つけたくない

けど

慎夜くんと雅紀くん……一体

どっちを信用すればいいんだろう……

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しばらく歩いてると

道の端に地面に手をついて必死に何かを探してる

様子の雅紀くんを見つけた

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智「雅紀くんっ……！」

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ホッとして

急いでそばに駆け寄った

けど雅紀くんは僕に見向きもせず

地面に這い蹲るような体勢のまま

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智「ねぇ……雅紀くん…何、してるの…？」

雅「……」

智「もう帰ろう？温かいココアを入れてあげる…」

雅「……」

智「……雅紀くん？」

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とりあえず雅紀くんの腕を掴んで

何とかその場に立たせた

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智「帰ろう？雅紀くん……」

と、僕が言っても雅紀くんは首を横に振るばかり

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何度「帰ろう」と言っても首を振って拒否されるばかり

おまけに腕を掴む僕の手を無理矢理ふり払おうとしてきた

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智「いいからっ……！早く帰るよっ……！」

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強い口調で怒鳴ったら

雅紀くんはビクッとしながらも、小さく頷いた

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智「……ごめんね？怒鳴って…」

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それだけ言って、雅紀くんの手を引いて夜道を歩いた

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