3人の新兵 ページ31
＜翌年＞
調査兵団に入団した。
俺達の目的は、分隊長であるエルヴィン・スミスを殺すこと。新兵ながら、容易に近付くことはできる。だが難しいのが『近付いてから』の行動だった。
「なー兄貴、早く殺せた方がいいよな」
こんな廊下で何を言いやがる。人に聞かれていてもおかしくねぇ。
「そうだな。その話は部屋でしろ」
「兵士って…中々大変だな…」
コツコツと音を立てながら歩いていく。今の段階で、特に兵舎への用はない。純粋に偵察、といったところだ。
イザベルは緊張感も持たず軽い足取りで進む。ファーランは着慣れない制服を手で馴らしていた。俺は周囲を確認しながら、真っ直ぐ足を出していく。
しばらく歩いていると、兵舎からは外に出た。正直言ってここの構造を把握している訳ではない。ただ颯爽と吹き抜ける風に、苛立ちを覚えた。
「ん、なんだここ…やけに静かじゃん」
「そうだな…結構道も開けてるぞ」
俺は少し辺りを見渡したが、本当に何の音もしない。大通りのような広さだ。その道は霞んだ肌色で染まっている。
「何もねぇな。行くぞ」
「なんだよリヴァイ、散歩がてらってとこか？」
「兵舎を軽く散歩する新兵が居るか」
ははは、と冗談を思わせる声で笑うファーランは無視して、俺はその道を歩き出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「進撃の巨人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シグ - ありがとうございます！大体恋愛ものが人気らしいので「これは大丈夫なのか…？」と思うのですが、、、とても嬉しいです！頑張ります！ (2018年3月20日 16時) (
レス) id: 97e2b18ddc (このIDを非表示/違反報告)
kaya - 私は結構シリアス好きなので、この作品好きです！リヴァイの相棒、っていう立ち位置も好きです。更新頑張って下さい。楽しみに待ってます！ (2018年3月19日 17時) (レス) id: 26b0885e3b (このIDを非表示/違反報告)
シグ - ありがとうございます!これからさらに亀スピード更新になると思いますが頑張ります。コメントありがとうございました! (2018年3月17日 16時) (レス) id: 7881ae9fa9 (このIDを非表示/違反報告)
佰 - すごい面白いですね！続きが気になります！これからも更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2018年3月14日 14時) (レス) id: e1e57bb127 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シグ | 作成日時：2018年3月8日 23時
