初めて飲む ページ23
「そういえばあの右腕の傷、もう大丈夫？」
訊かれたため、私は着ている服の袖を捲る。露になった右腕には、いつぞやの包帯が巻かれていた。
あの青年達に、切りつけられた傷。
血はもう止まっているし、動いても痛みはない。ただ何かに強く当たると、また出血してしまいそうな恐れはあった。
「大丈夫みたいだね」
「その傷は…何かあったのですか」
モブリット、だっけ。私の方が年下なのに敬語を使われる。私が何か上の立場に見られたのだろうか。まあいいか。
殺し屋のことは、なるべく話したくない。
「間違って切った」
「腕と何を間違ったんですか！？」
「……」
質問の仕方から、この人がなかなか世話を焼かれる人だと感付いた。おおよそハンジ辺りに振り回されてそう。
私が顔を背けて黙ると、モブリットも察したようにこれ以上のことは訊かなかった。
私はハンジが淹れたお茶を少しすすった。飲んだ瞬間、温かさが体全体に広がる。人が淹れてくれるお茶なんて初めて飲む。
「…美味しい」
「やったぁ！！」
ティーカップを雑に持ったままハンジがはしゃいだ。それは実際に見たことはないが、親に対して喜ぶ子供みたいで。
何もかも、初めてのことばかりだ。
「っと……書類やらなきゃだったね」
喜び終えたハンジは束を持つ。私はそれを覗いて、自分でもできるものだろうかと思った。
「え、やってくれるの！？」
「分隊長駄目です！貴方がしてください！」
机に置いてある羽ペンを持ってみる。
「…おおぉぉぉ…！！」
「あ…あああ……」
8分で終わった。
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シグ - ありがとうございます！大体恋愛ものが人気らしいので「これは大丈夫なのか…？」と思うのですが、、、とても嬉しいです！頑張ります！ (2018年3月20日 16時) (
レス) id: 97e2b18ddc (このIDを非表示/違反報告)
kaya - 私は結構シリアス好きなので、この作品好きです！リヴァイの相棒、っていう立ち位置も好きです。更新頑張って下さい。楽しみに待ってます！ (2018年3月19日 17時) (レス) id: 26b0885e3b (このIDを非表示/違反報告)
シグ - ありがとうございます!これからさらに亀スピード更新になると思いますが頑張ります。コメントありがとうございました! (2018年3月17日 16時) (レス) id: 7881ae9fa9 (このIDを非表示/違反報告)
佰 - すごい面白いですね！続きが気になります！これからも更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2018年3月14日 14時) (レス) id: e1e57bb127 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シグ | 作成日時：2018年3月8日 23時
